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“外交弱小国”日本の安全保障を考える

第55回
慰安婦決議の推進役がねらう次の対日攻撃

国際問題評論家 古森 義久氏
2007年8月16日

 米国議会での慰安婦に関する日本非難の決議案はやはり在米の中国系組織が最大の推進役だった。この組織は日本をさらに糾弾する構えをみせている――。

 米国下院はついに慰安婦に関する日本糾弾の決議案を可決した。7月30日のことだった。「ついに」と書いたのは、この決議案は推進する側の当初の見通しを大きく越えて、予測よりずっと遅れて採択されたからだった。しかもその内容が当初からはだいぶ薄められた。

 日本の首相や政府に改めて謝罪を求めるこの決議案の採択はちょうど日本での参議院選挙での自民党の大敗と重なったためか、日本側のマスコミではそれほど大きくは報じられなかった。米国のマスコミはほとんどその採択に触れることさえもなかった。そして少なくとも当面、この慰安婦問題はマスコミや政治のレーダースクリーンからは消え去ったかのようにみえる。

 だが決してこの問題は終わってはいない。またまた形を変えて、米国での日本糾弾という動きとして姿を表す公算が強いのである。その理由はこの種の動きが米国に拠点を置くグローバル規模の中国系反日団体が一貫して進める「歴史問題」での日本非難の一端だからである。慰安婦問題がひとまず片づいたとしても、次なる非難の矢がもう準備されているのだ。

 わたしはこの慰安婦決議案と中国系反日団体とのつながりについてはこの連載コラム第44回でも書いた。そのなかで抗日連合会の中国系幹部連が長年、ホンダ議員に政治献金をしてきた事実を指摘し、同連合会の日本を標的とした多様な活動を明記した。だが今回のレポートは慰安婦問題での同連合会の重大な役割をホンダ議員自身が認めて、感謝まで表明したことがポイントなのである。

 今年はじめから日本側を揺さぶってきたこの慰安婦問題が決議案の採択という結末で一応の第一幕を引いた時点で改めて明らかになったことは、やはりこの決議推進の真の主役がマイク・ホンダ下院議員ではなく、韓国系の団体でもなく、在米の中国系団体「世界抗日戦争史実維護連合会」である、という実態だった。議会の表面での推進役のホンダ議員自身がその団体の名を真っ先に挙げて、決議成立への感謝の意を正面から表明し、しかも長年にわたって、自分がその団体によって「指導」されてきたことを明言したからだった。

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