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“外交弱小国”日本の安全保障を考える

イラク武力攻撃決議案を巡る批判

 次にヒラリー・クリントン議員が答えた。「わたしは(大統領就任の)1年目に、そういう諸国の指導者たちに会うことは約束しませんね。彼らのプロパガンダに利用されたくはない。彼らの意図をまず知る必要があります。その種の会談は現実の情勢を悪くしてしまうかもしれません」

 大統領夫人として国政に接し、さらに再選を果たした上院議員としての経験の重みを感じさせる発言というわけだろう。その背後には新人議員のオバマ氏への見下すような批判がにじんでいた。

 この批判はすぐにもっと辛辣な形でオバマ議員あてにぶつけられた。翌7月24日、ヒラリー女史は次の遊説先のアイオワ州の新聞のインタビューで「オバマ議員の回答は無責任で無知だ」と述べたのだった。たしかに米国大統領が無法国家やテロ支援国家の指導者と個別に、しかも条件なしに会談をすれば、得ることよりも失うことが多いだろう。そういう趣旨の突き刺すような批判の言葉だった。

 するとオバマ議員が翌25日に即座に反撃した。ヒラリー女史が2002年秋に上院でブッシュ大統領が推したイラクのフセイン政権への武力攻撃決議案に賛成票を投じたことを非難したのだ。

 「無責任で無知なのはイラクに対する戦争の開始に撤退の方法も考えないまま、権限を与えるようなことでしょう」

 民主党内でもこの決議案を巡っては議論がなお絶えない。ヒラリー女史をはじめ民主党側のかなりの数の上院議員が賛成票を投じて、ブッシュ政権のフセイン政権攻撃に支持を表明したのだった。だがいまはそういう議員もほとんどがブッシュ政権の対イラク政策を厳しく糾弾する。ヒラリー女史も「ブッシュ政権の政策に一度は賛成し、いまは反対なのか」と、「転向」や「矛盾」を批判されるのである。

 批判する側のオバマ氏は2002年には上院議員にはなっていなかった。だから遠慮なくヒラリー女史に対し「都合よく、くるくると立場を変えて」と批判できるのだろう。

 いずれにしても、今後の民主党候補同士の争いでは、この2002年秋のイラク攻撃決議案への対応のあり方がなお論議されていくだろう。民主党内部でもイラク論議はつきまとう、ということである。

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