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“外交弱小国”日本の安全保障を考える

第50回
中国の有毒品に警戒強める米国

国際問題評論家 古森 義久氏
2007年6月5日

 米国では中国からの産品の毒性を心配する動きが急速に広まってきた。Made in China の輸入品に対するまさにパニックと呼ぶべきだろう。いやいや、パニックと評すると、どこかに過剰な反応のニュアンスがあるが、今回の恐怖の反応は十分に事実に基づいた動きといえそうである。

 米国でのこうした中国製、中国産の物品に対する反発や恐怖はこのままでは中国の対外貿易を根底から抑えつけてしまうことにもなりかねない。中国産の物品でも特に人間の体内に入る食品、医薬品、日常消費品などに現実に毒性物質が発見されているのだ。中国からの輸入食品などに依存する日本にとっても深刻な事態である。

 ほんの一例を挙げよう。

 6月1日、米国政府の食品医薬品局(FDA)は米国内3カ所で有毒化学物質ジエチレングリコールを含んだ中国製の歯みがきが発見された、と発表した。この有毒物質は甘いシロップ状で、子どもや、腎臓・肝臓に疾患のある成人に有害となりうるという。

 そんな恐怖の歯みがきが発見されたのは、ロサンゼルス、プエルトリコ、マイアミの3市で、港の積荷だけでなく、小売店の店頭にも置かれていたという。ジエチレングリコールを含んだ歯みがきは中国製とはいえ、「ShiR Fresh Mint Fluoride Paste」などという米国的な商品名がつけられていた。もちろん一挙に押収された。

 有毒物質の入った中国製の歯みがきが国際的に出回っているという情報は、米国ではこれより1週間ほど前の5月下旬に流れ、その危険な商品が中米のパナマやドミニカ共和国、そしてオーストラリアなどで発見されたことが米国マスコミでも報道されたばかりだった。それがあっという間に、こんどは米国内で見つかった、というのである。この事態の展開は米国側の、中国産品への警戒をどっと高めることになった。

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