中国の不透明性が問題
しかし米国側が単に中国の軍拡自体を非難する以上に問題にするのは、中国側の政治・軍事態勢の不透明性である。米国や日本なら防衛態勢の規模、構造、戦略など、みな公開の場で議論をし、特に兵器の調達は事前から複数の選択肢を示して、国防上の要請と予算措置との兼ね合いを論じながら、検討していくという透明なプロセスが定着している。それこそ民主主義国家の国防や軍事の枠組みの特徴である。
ところが共産党の独裁態勢が確立されている中国では軍事の政策も戦略も、ハードウエアの調達もすべて秘密にされている。だから周辺の国家としては、文字どおり、ある朝、起きてみたら、中国人民解放軍がまったく新しい核ミサイルや原潜や戦闘機を配備していた、という事態も起こりうる。米国が中国に向かって「透明性」をくどいほど求めるのも、そうしたシナリオへの懸念が一因だろう。
いずれにしても今の米国で中国の軍事政策に対する不安感がまた改めて述べられるようになったことは注視に値する。その中国の軍事政策は日本の安全保障にも重大な影響を及ぼすわけだから、米中間でのこの課題を巡るうねりは細心に追っておくべきだろう。
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