ブッシュ政権の対中姿勢も批判
第三の反中志向の有力議員チャールズ・ラングル議員はペロシ、ラントス両議員とはやや異なり、中国に対し経済面を中心にして非難をぶつける。ニューヨーク州選出の民主党リベラル派ラングル議員は米側の中小企業や労働組合を代弁することが多い。中国の経済活動によって傷を受けやすい立場の組織や人間の利害関係を代表しているのだ
ラングル議員は2006年11月の中間選挙直後の記者会見で次のような中国非難を述べた。
「中国政府は人民元の対ドル・レートを不当に低く抑えている。その通貨レート操作は中国に対外黒字を巨額に稼がせ、米国側の競争企業を不公正に傷つける。中国はまた知的所有権をも大規模に侵害し、偽造品、模造品の洪水で米国企業に巨大な損失を与えている。ブッシュ政権は中国政府に対し断固たる措置をとって、米国企業を守らねばならない」
ラングル議員は中国だけでなくブッシュ政権の対中政策をも甘すぎるとして批判するのだった。同議員は特に中国政府が WTO の規則をまだ順守していないと断じて、ブッシュ政権に対し、強い対中姿勢をとることを求めてきた。
ラングル議員は新議会では下院歳入委員会の委員長となった。歳入委員会は下院の多数ある委員会のなかでも特に強大な権限を持つ。歳入をめぐる権限は政府の財政収入を左右するパワーだからだ。その委員会の委員長に、中国非難を、歯に衣着せず述べる議員が就任したのである。
ラングル、ラントス、ペロシ各議員はみな中国非難をブッシュ政権への攻撃にも使ってきた。議会での多数党だった共和党を攻撃する手段に中国を使うという側面があったのだ。その野党側議員たちが議会での多数政党となると、立場はかなり異なってくる。攻撃のための攻撃として中国批判を展開することは難しくなるだろう。そう考えると、これまでの激烈な中国非難の言辞も、レトリック過剰を差し引いて受けとめる必要があるかもしれない。
だがなおそれでも、中国に対して年来、これほどの厳しい批判を浴びせてきた民主党有力議員3人が下院の議長、国際関係委員長、歳入委員長という要職にそれぞれ就くのである。民主党多数の新議会が中国にことさら甘くなったり、中国に踊らされるようなことにはならず、むしろ人権や経済という領域では中国をこれまで以上に強く、激しく、批判していく見通しが強いといえるのだ。
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