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“外交弱小国”日本の安全保障を考える

第33回
「日本に核武装」― 米国から出た初めての奨励論

国際問題評論家 古森 義久氏
2006年10月13日

 北朝鮮の核兵器実験は文字どおり全世界を揺るがせた。至近距離に位置する日本への衝撃は言わずもがな、である。金正日総書記のこの大冒険で世界の核兵器管理態勢が変わり、東アジアの安全保障態勢も大きく変わっていくだろう。その意味では2006年10月9日の北朝鮮の核実験は歴史的な転換点の一つとして国際政治史に刻まれるかもしれない。

 北朝鮮の核実験がもたらす大きな変化の一つは、他の多くの主権国家にとって、核兵器の保有という行為がより近く、より容易な作業として映るようになることだろう。あれほど貧しく、あれほど孤立した小国の北朝鮮が、あれほど多くの国から反対されながらも核兵器を開発できるならば、自国が同様にしても決しておかしくない、という考え方も全世界かなりの数の国家で強まるであろう。核武装の敷居が低くなったということである。

 この面で北朝鮮核実験の余波として、いま国際的に語られるようになったのは「日本の核武装論」である。北朝鮮が核兵器を公然と保有するようになれば、やがては日本も核武装を目指す、という主張である。この主張は実はもう珍しくはない。なにも今回に限った話ではないのだ。

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