大転換期の安心・安全マネープラン

第20回
資産の安全を確保するために知っておくべき金融商品のリスク

ファイナンシャル・プランナー 大和田 英明氏、汀 光一氏
2006年3月31日

 予測できるリスクに対しては、あらかじめ対策を考えておくことはできる。しかし、予測できないリスクは、どれくらい対応しておけばよいか分からないため、何らかの損害を被る可能性がある。予測との差が広いほど、自分がそのリスクに向かっているかさえも分からなくなるものである。

 最近、投資信託や仕組み債などに限らず、複雑な金融商品が増えているが、こういう商品をよく理解せずに買うことは、新たなリスクを抱えることにもなり、結果的に安全や安心のある暮らしから遠ざかってしまうことにもなる。安心して暮らすには何を理解してどう対応すればよいのか、基本的なことを考えてみよう。

リスクとは「予測不可能な度合い」

 将来予測できないことによる損害の可能性はリスクになる。また、抱えているリスクも1つだけとは限らない。例えば、金融商品でみてみると以下のようなリスクがある。

信用リスク
株式や債券など、国や企業などが破綻した場合に、投資したお金が戻ってこなかったり、減額されるかもしれない恐れがあること。「銀行に預けておけば安心」という時代は終わり、銀行預金についても、1000万円を超える部分には信用リスクが生じることになった。

価格変動リスク
株式や満期前の債券など、需要と供給によって価格が変動するものにあるリスクで、価格が上下することで投資したお金が減少したり、増加したりすること。

為替リスク
外貨預金や外国株などに生じるもので、為替の変動により、投資したお金が減少したり戻ってこない恐れがあること。

金利変動リスク
変動金利商品では、将来の適用金利が予測できない点。固定金利商品については、金利上昇時でも高金利の恩恵に与れない点。

マーケットリスク
株式なら株式市場、債券なら債券市場と、商品ごとの各市場で売買されているため、その市場の成熟度、公正度などの影響を受ける。東京株式市場の売買停止にみられたシステムのリスクもある。

流動性リスク
お金が必要なとき、換金できない可能性があること。たとえば、株式の場合は、売却が約定してからお金が入るのは第4営業日目。

カントリーリスク
投資した国や地域の政治・経済・社会状況の不安定化や混乱などによって、投資したお金が戻ってこなかったり、減額されたりする可能性があること。戦争や内乱、経済危機などが起こった場合にはリスクが大きい。

災害・盗難リスク
もうどこも信じられないと、タンス預金にしておいても、ドロボウや火災などでお金を失う恐れもある。

インフレリスク
投資した金融商品の利率より、インフレ率(物価上昇率)の方が高い場合に発生するリスクで、長期運用を行う際は十分に気をつける必要がある。たとえタンス預金にして残ったとしても、その間物価が上昇していれば、お金の価値=購入できるものは目減りする。

 このようなリスクは、どのような金融商品にも必ず1つ以上ある。リスクのない金融商品は存在しない。「元本保証」「リスクゼロ」と宣伝している商品でも同様である。インターネットの普及などにより、以前よりは金融商品のリスクに関する情報も得やすい環境になった。また、販売する側にもその説明義務と損害賠償責任が課せられるようになった(金融商品の販売等に関する法律の概要などが参考になる)。個人の金融資産運用では、そのリスクをよく理解することがまず最初に必要なことである。

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