大転換期の安心・安全マネープラン

第18回
いざという時、わが家は年間どれだけ必要?
家計データの集め方と整理方法

ファイナンシャル・プランナー 大和田 英明氏、汀 光一氏
2006年3月3日

 第4回で借金の返済見直しは、固定支出の見極めから始まること、いざという時必要なのは、収入の状況が変わっても、すぐに家計を改善できる対応力であることを述べた。つまり最低固定支出を把握して、変動費を節約していくという家計管理が大切ということだ。それにはまずどうすればよいのか、今回は具体的に考えてみよう。

家計簿は、あまり利用されていない?

 毎年正月前の本屋には、さまざまな家計簿が平積みされる。最近の家計簿は、予算管理ができるものや、資産・負債の整理ができるものもなど、家計管理の方向性を打ち出したものが数多くある。家計簿ソフトでも、ライフプランまで作成可能であったりする。しかしその一方で、セミナーなどで聞いてみると、家計簿をきちんとつけている人は意外に少ない。「面倒」というのがその理由である。では、どうしているか聞いてみると、決まって出て行くものの金額を把握し、残りのお金で生活しているという答えが多い。つまりそれが家計管理の目安になっているのである。それで何とかやってきたから、「これからも大丈夫」という声が返ってくる。しかし、はたしてこれからもそう言い切れるだろうか。

 家計簿の目的は何だろう。細かくきちんとつけることだろうか。しかし、毎年きちんとつけて、年代順に棚に並べていたとしても、それでは単なるお金の日誌という意味合いでしかない。家計簿の目的は、コスト管理(節約だけではなく)と貯蓄や支出に回すお金を作っていくことである。したがって事業者の帳簿の場合は別だが、一般の家計では、おおまかな項目について年間の金額を把握することの方が大切である。それで生活の固定費と変動費を知ることができるからだ。

 今後のライフプランを作ろうにも、この金額をつかんでいないと難しい。リストラなどで収入に大きな変化があった場合にも、最低必要な固定費を知っていないと家計の舵(かじ)取りは困難だ。サラリーマン家庭のご主人に聞くと、おおまかな項目ごとの金額を把握している人は少ない。夫婦で話し合うことが大切だが、男性の多くはどちらかというと苦手な分野のようである。税金や社会保険料、基本生活費、教育費、住居費、保険料、一時的支出など、その年間の金額をどう把握するかということが、まず最初の課題である。目的を持って家計簿を利用すれば、それは新たな価値を生み出す家計データへと変わる。

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