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ライブドアショックの影響と教訓

 今回のライブドアショックで、大損した個人投資家も多くいると言われているが、長い目で見れば、最近株式投資を始めた個人投資家、特に20歳代、30歳代の若い投資家にとっては良い教訓になったはずだ。最近は、たくさんの株式投資についての書籍を書店の店頭で見かける。1980年後半のバブル時よりもその書籍の数は多いかもしれない。書籍の大半は、「ネットで儲ける株式相場」とか「2年で1億儲けた」とかいった内容の話である。

 確かにこの2002年からの3年間であれば、株価を10倍にすることが可能であった。鉄鋼株、建設株、銀行株などは、3年前には額面割れの40円、50円という株価もあった時代だ。実際に、当時の株価の10倍以上になっている株式もある。逆にそのような不況時には、いくら株価が安くともなかなか買えないのが常である。これから株価は上昇するにしろ、急激な上昇は期待できないかもしれないし、1月のように何かのきっかけで急落することはこれからもあるだろう。

 株価は、一般に上昇するときには、時間をかけて上がり、下落するときには、一気に下がるものだ。それは、人間の心理が恐怖に対しては急激に反応するからに違いない。過去3年間の株式市場には、ただ急落場面がなかっただけである。

 今後、個人投資家も株式投資をするのであれば、さらなる勉強が必要だ。1月18日の東京証券取引所における約定件数が400万件を超え、通常の20分前に売買が停止された。目先の相場上昇を先読みした信用取引の増加、ネットや携帯電話によりいつでもどこからでも簡単に注文が出せる株式の売買による影響が大きいからだ。さらにデイトレーダーという超短期売買を行う投資家の影響もあったであろう。

 株式投資は、市場の参加者が多種多様であればあるほど、株価形成は厚みを増す。1、2カ月の短期で売買して儲けようとする人、Buy and Hold(長期投資の手法を意味する)で5年、10年単位で投資する者、1日単位で売り買いをするデイトレーダーなど、様々な参加者が様々な思惑を持って参加するので、適正な価格が維持される。資産運用に「これが正解」いう答えはなく、結果がすべてである。多種多様の投資方法を行う投資家がいるのだ。

 しかしながら、投資リスクの観点では、投資期間が長ければ長いほどリスクは軽減される。1カ月単位より1年単位、1年単位より10年単位の方が、株価のぶれの大きさという意味では、安心して投資できる方法だ。

 ライブドア事件により急落した株価は、その後のホリエモン逮捕により急激に戻りを示した。マザーズ市場はまだ影響が残っているようだが、日経平均株価は事件前の株価水準に戻った。今回は、騰(あ)がる株ならなんでもいいとか、短期間に儲けられればどんな株でもいいといった投資家に、マーケットがそのリスクを教えてくれたようだ。ライブドアの投資家には、若い人たちも大勢いたようだが、損をした若者もこれを機会にさらに勉強をして、賢い個人投資家を目指してほしいと思う。今回のライブドアショックといわれる急落は、1990年からのバブル崩壊時の立ち直れないような株価暴落ショックでは決してないのだから……。

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