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不動産の達人が教える「失敗できない時代の住宅選び」

「量の追求」より「質の追求」へ

 テレビのとある政治討論番組で中川財務相が、「建物の耐震」「容積率の緩和」について触れていた。

 「建物の耐震」を推進するのはとてもいいことだ。現在、オフィスビルや学校はもちろん、既存住宅の耐震診断、耐震補強はほとんど進んでいない。「お金がかかるから」がその主な理由だ。一般的な住宅について耐震補強を施せば、平均的に120万円以上かかる。これに対する補助をいくつかの自治体が行っているが、補助額はせいぜい50万円が上限で、あまりにも低すぎるため、耐震診断・耐震補強はなかなか進んでいない。補助金の増額や、固定資産税の減免、ローン金利補助などについて、思い切った策を講じたい。住宅の安全性も高まり、災害対策としても非常に有効であり、必要のない道路を造るよりはよほどマシだ。

 一方、「容積率の緩和」は、主に都心部・都市部のオフィスをイメージした政策と見られるが、これは、ほかから需要を吸い取る「ストロー現象」を生み出すため、今度はそれに対処しなければならならない。効果は限定的だし、政策としてはやや苦しい。局地的な地価上昇を生み出し、需要を吸い取られた地域との格差を拡大させてしまう。

 もし新築需要を生み出したいなら「容積率緩和」のような「量の追求」より、先述した「耐震性」や断熱などの「省エネ性」、修繕や更新のしやすさとしての「メンテナンス性」など、「質の追求」に向かったほうがいいだろう。これはオフィスだけなく、住宅についても言えることだ。将来に建物という確実な資産を残すことにつながるし、省エネルギーな国づくりができる。

 そもそも、日本の新築住宅の価格は高すぎる。部材の共通化や効率化をさらに進めることで、まだまだコストダウンは可能だ。また、内需安定を目指すなら、放置されている日本の木材を利用できる制度に変更したほうがいいだろう。国内の木材を使わず、海外から丸太を輸入して、環境破壊だとバッシングを浴びている現在の状況は即刻改善したい。輸入材への関税の見直しや、林業の効率化が必要だ。これから世界は自由主義経済が否定される世の中に向かう見込みだが、輸出入の構造自体見直しをするなかで、木材についてよく考えたい。

 不動産仲介業者やリフォーム業者の育成も欠かせない。既にいくつかの面白い、個性的な不動産仲介業者が出始めている。例えばわたしが経営に携わっているハウスハウスは仲介手数料無料・半額・割引で、定額コンシェルジェサービスを提供する。しあわせな家は、中古注文住宅ブランド「Renon(レノン)」を展開中だ。

 個性的で多様な不動産仲介業者やリフォーム業者がどんどん世に出ることで、中古住宅市場を盛り上げることが必要だ。

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