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不動産の達人が教える「失敗できない時代の住宅選び」

第52回
新築マンションに空前の引き渡しラッシュ

さくら事務所取締役会長 長嶋 修氏
2006年11月28日

 ご存知の通りここ数年、マンションの「大規模化」そして「超高層化」が進み、総戸数500戸、1000戸などという規模も珍しくなくなった。1~2年前に販売されたこれら膨大なマンション群の壮絶なる「引き渡しラッシュ」が、いよいよ2007年1月~3月にかけて始まる。

 この時期に引き渡しが行われる新築マンションの数は、1都3県(東京・千葉・埼玉・神奈川)だけでもゆうに5万戸を超えると予想される。この数は日本のマンション史上始まって以来、未曾有の引き渡し数だ。近年にない「民族大移動」の始まりである。

 ところで毎年この時期、さくら事務所のメンバーは非常に気が重くなる。あまりにひどい内覧会現場の状態が散見されるようになるためだ。

床がデコボコであるため、フローリングと扉が擦れている例

 デベロッパーは決算上の都合から、期末までにはなんとしても引き渡しをしたい(売り上げを立てたい)と考えている。一方、仕事が集中し工期が遅れがちな建設現場では、引き渡し期限を順守するよう尻をたたかれて無理が生じ、雑な工事が増えてしまう。この時期は現場の職人さんも引っ張りだこで、どこの現場も職人さんの数が恒常的に不足しているのだ。

 エントランス部分だけは格好がつかないからなんとしてでも仕上げているものの、廊下などの共用部がまだ工事中であるのは当たり前。専有部では、ちゃんと事前検査が行われたのか疑わしい状態であることはおろか、「クロスが張られていない」「キッチンが設置されていない」「工事中で入れない部屋がある」――といった信じられないような光景にも多く出くわすことになるのだ。

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