2010年までに累計520万台を目指すエコキュート
住宅のオール電化において特に注目に値するのが、2001年に登場した自然冷媒ヒートポンプ給湯機「エコキュート」である。従来のヒーター式電気温水器に比べ、エネルギー効率が約3倍以上と高効率、国からの導入補助金も支給され、「2010年までに累計520万台の普及」が目標として掲げられている。CO2排出を大幅に削減でき、フロン系の冷媒も使用しないエコキュートはまさに、「エコロジー」と「エコノミー」の同時達成といえるだろう。かつて課題だった機器から発生する音の問題も、最近の機種では大きく改善されている。
写真2 ダイキン工業のエコキュート「EQ37HFTV」(370リットル薄型)
こうして挙げていくと、とりたててデメリットの見あたらない「オール電化住宅」。ただ、温水器の設置場所には困るケースもあるだろう。設置には、畳半分程度のスペースを要する。専有部を有効活用したい都市部のマンションなどでは設計上、配置にも苦慮する。また中華料理など、火を使ってダイナミックに調理することを楽しみたい方には物足りないだろう。
また各電力会社の管内ごとで、普及率には大きな差がある。中部・北陸電力や中国電力、四国電力の管内では軒並み50%を超えているが、東京・東北・北海道電力ではまだ10%~20%台。自分が気に入った建売住宅や新築マンションがあっても、オール電化が採用されているケースはまだ少ないエリアも多いだろう。
表3 エコキュートの普及度。出典はリクルート「月刊HOUSING」注文住宅と住宅設備に関する動向調査より
最後に、オール電化といってももちろん、万能ではない。いくら火を使わず、コンピューター制御で安全機能がついているといっても、ラジエントヒーターは500℃~600℃にも達し、触れば大やけどをする。また温度調節を正しく作動させずに放置しておくと、鍋の中の油が発火するリスクもあることが、国民生活センターにおいて報告されている。どんなに便利なものも、その性質をよく理解し、正しく使用することが重要であることは言うまでもない。
これまで述べてきたように、オール電化とは「環境」や「省エネ」に大きなメリットがあるもの。しかし快適性や使い勝手など、自身にフィットするものかどうかを体感することが大切だ。電力各社にはオール電化の体感施設が設けてあり、調理を試すこともできる。特質やコスト、使い勝手など、自身にとってのメリット/デメリットをしっかり把握したうえで、導入の可否を判断しよう。
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