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不動産の達人が教える「失敗できない時代の住宅選び」

省エネ性能抜群の「外断熱マンション」

外断熱工法

内断熱工法

図1:外断熱工法と内断熱工法

 現在、日本で造られているマンションのほとんどが、コンクリートの内側(室内側)に硬質ウレタンフォームなどを吹き付けて断熱を施した、いわゆる「内断熱方式」で造られている。

 コンクリートには、冷たさも熱さも十分に吸収し、外気に同調しやすいという特徴がある。つまり、夏の暑い時期には熱をふんだんに取り込み、冬の寒い時期にはキンキンに冷えてしまうということだ。

 このようなコンクリートに囲まれていては、いくら内側(室内側)に断熱を施してもその効果には限界がある。室内温度が外気の影響を受けるのは避けられないのだ。ましてや一般的な内断熱工法のマンションは、硬質ウレタンフォームであり、厚みもせいぜい20mm程度である。

 一方「外断熱マンション」とは、コンクリートの外側から、つまり建物全体を断熱材ですっぽりと包みこむように断熱が施されている。この工法で施工するとコンクリートが外気に影響されず、むしろ室内温度に同調する。そのためエネルギー効率が格段に高まるのだ。

 外断熱工法の断熱材は、グラスウール125mm、あるいは発泡断熱材70mm程度。単純に断熱性能だけで比較しても、2倍弱~4倍弱の性能差があるうえ、コンクリートは外気の影響を受けずに室内温度に同調する。つまり夏は冷たく、冬暖かい状態になるのだ。

 その効果は、冬の寒い朝、前日の夜の暖房の暖かさが翌朝も残っているほどである。寒い冬の夜、北側の部屋で寒さに悩まされるということもない。

 外断熱マンションを強力に推進している康和地所株式会社の松井氏(経営企画部 部長)によれば、同条件における内断熱工法のマンションと比較した同社の実験データでは、エネルギーコストが約半分で納まるという。

写真1:左から外断熱工法(乾式)/外断熱工法(湿式)/内断熱工法

 少しのエネルギーで、無駄なく快適に過ごす。マンションの外断熱工法はまさに、究極の省エネ工法といっていいだろう。

 ちなみに外断熱マンションのメリットは、「省エネ性」だけではない。

 コンクリートは外気の影響を受けると膨張・収縮してしまう。また「中性化」といって、コンクリートの劣化を早めることにもつながるのだ。

 外断熱マンションはコンクリートが直接外気の影響を受けないため、コンクリートの耐久性を格段に高めることにつながるのである。

 また、室内の温度変化が少ないことで結露も起こりにくくなる。アトピーや喘息の原因となるダニやカビの発生を防ぐこともでき、快適で健康的といえるだろう。

 外断熱マンションに難点があるとすれば、まずは「コスト」の問題か。工法も研究され、建設単価はずいぶんと抑制されるようにはなったが、それでも内断熱方式より10%前後はアップする。

 このイニシャルコストの増大と、省エネ性・耐久性を含めたいわゆるライフサイクルコストの低減という観点の、どちらをとるかだ。

※ライフサイクルコスト(LCC):
建物の設計・施工から修繕・光熱費・解体まで、建物の一生にかかる生涯コストのこと

 さらには「工法」の問題もある。日本のゼネコンの多くは内断熱方式の工事しか知らず、外断熱工事ができるゼネコンはまだわずかだ。欧米では常識である外断熱方式も、日本ではまだ少数派なのが現状。経験不足を補う品質確保は、今後も大きな課題となるだろう。

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