第26回
年月を経ても価値が落ちない「ヴィンテージ住宅」の条件
~マイホーム選びのキーワードが変わる!(3)~
さくら事務所取締役会長 長嶋 修氏
2006年1月18日
我が国の不動産市場はこれから、耐震性や耐用年数、可変性やメンテナンス性など、建物の本質的な性能がよりクローズアップされ、住宅を永く大切に住み継いでいく風潮が常識、といった方向へ激変していくこととなる。
これまでの日本は、税制でも融資の面でもとかく新築住宅に、より有利な体制が敷かれ、人々の意識もマイホームといえばまず「新築」がイメージされるなど、ともすると「新築が買えないから中古を」あるいは「新しいものが常に美しい」とでもいうような意識が一般的であった。
しかし、今後はこれらの状況も徐々に変化、中古住宅市場の整備等も進むことによって、日本に住まう私たちは今後、新築・中古、マンション・一戸建て等の種別を問わず、マイホームの「ヴィンテージ住宅化」を目指すこととなるだろう。
では「ヴィンテージ住宅化」とはいったい、どういったことを指すのか。本稿では、今後国が向かう方向性と、その方向性を前提としたヴィンテージ住宅の条件について、いくつかのポイントを説明しておきたい。
本格的な「住宅ストックの時代」へ
国土交通省は、これまで「住宅建設計画法」に基づき、戦後8期に渡って継続してきた5カ年計画、いわば「新築住宅の大量供給政策」を、今年度で終了すると発表した。40年間もの長い間続けてきたこの政策は、総世帯数に対し660万戸以上の空き家があるとされる昨今の日本の住宅事情において一定の役割を終えたと判断、住宅建設計画法は廃止される見込みである。
かわって「耐震・省エネ・バリアフリー」を柱に「量」から「質」へ政策の転換を目指した「住宅基本法」の成立を予定、我が国は本格的な「住宅ストックの時代」へ向けて、大きく舵を切ろうとしている。
出所:総務省 住宅・土地統計調査
ここ数年、110万戸程度で推移している新築住宅の着工ペースも、長期的には明らかにダウントレンドだ。低金利と団塊ジュニアで短期的に支えられる現在の新築住宅市場(主に新築マンション・新築一戸建て)も、これらの追い風がなくなるにつれて、着工戸数も100万戸を切り、90万戸、80万戸と、徐々にそのペースを緩める。
かわって、現在わずかに20万戸強といわれる中古住宅の取引が、各種の市場整備も同時に伴いつつ、耐震改修・リフォームなどの市場をも大きく膨らませながら活発化することだろう。
出所:国土交通省 新設住宅着工戸数統計
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