偽装マンション購入者に自己責任を求めるのは筋違い
最後に、本コラムの趣旨とは外れるが、耐震強度偽装事件について述べておきたい。
自己責任の名の下に、あたかも問題とされた物件を購入した購入者自身が間違っていたかのような風潮が散見され、大変残念に思っている。中には、「ぱっと見ればすぐにわかる」ということを発言する向きまであった。中には、そのようなものもあったかもしれない。しかし実際はほとんどのケースで、決してそんなことはないのだ。
さくら事務所では、個人向け不動産コンサルティングサービスを提供している。これまで約10,000組のご依頼者のコンサルティングを手がけてきたが、私たちの調査でも「犯罪的悪意」を前提とした範囲までの調査は行っておらず、そのことに、私達自身、非常に無力感を感じざるを得なかったのは事実だ。
もしそれを前提として、つまり、犯罪を見抜くための疑義的な調査を行うのであれば、個人にはまったく負担もできない金額と日数を要してしまう。
そもそも、意図的な耐震強度の偽造を予測できた専門家など誰もいなかったはず。事件が発覚してから「それ見たことか」とでもいうような発言ができるなら、なぜ事件発覚前にそれを言わなかったのか。
にも関わらず、購入した側にも問題があるといった向きの風潮が起こってしまうのは、非常に嘆かわしいことだ。お互いに極力、各方面へできる限り配慮ある発言をしようではないか。自身の発言の行方や、言葉の底にある心持ちを、私自身を含め、一人ひとりの胸に今一度問い直すべきであると思っている。
おしえてBP!
住宅
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