第22回
絶対に失敗しない不動産売買契約はこれだ!(中古編)
~新築よりも難易度は高いが方法はある!~
さくら事務所上級コンサルタント 印南 和行氏
2005年12月12日
「中古物件を購入して1ヶ月後に雨漏りした。売主さんに修繕依頼をしたら、契約上その責任はないと言われたのだが本当か?」…さくら事務所に以前、実際に寄せられた相談だ。契約書を確認すると、売主の保証はないといった内容の条文が記載されており、契約書上売主には修繕の責任はなかった。このように買主としては納得いかない内容も、中古物件の契約書に記載されているケースがあるのだ。
本稿では、前回の「絶対に失敗しない不動産売買契約はこれだ!(新築編)」に続き、さくら事務所の日々のコンサルティング実例から、事前に契約書類を確認することで防げたはずの中古物件契約におけるトラブルについて検証しながら、確認ポイントをお伝えしていこう。
売主によってチェック内容が変わる!?
新築物件の売主は業者だが、中古物件は業者以外に、個人である場合もある。業者が売主である場合、「宅地建物取引業法」(以下「宅建業法」とする)の制約を受けるが、個人が売主の場合にはその制約を受けない。そのため、売主がいずれであるかによって「瑕疵(かし)担保の期間」と「手付解除の期間」が変わるのだ。
「瑕疵」という言葉をご存知だろうか?瑕疵とは、欠陥や欠点のことである。
民法では、売買の目的物に隠れた瑕疵がある場合、売主に対して「瑕疵担保責任」を課している。つまり、買主は売主に対して損害賠償の請求など行なうことができ、瑕疵の為に契約の目的を達することができない場合には、契約を解除することもできるのだ。この瑕疵担保期間は、売主が業者で買主が個人の場合、宅建業法で2年以上を義務付けられている。これを無視して2年未満の特約を結んだ場合は無効となり、買主が損害賠償の請求などを行使できる期間に、民法の「買主が瑕疵を知ったときから1年以内」が適用されることとなる。その場合、引渡しから長期間経過後に瑕疵を発見したときでも、この瑕疵が契約時に存在していたことが明らかになれば、売主に損害賠償の請求などができるのだ。
一方、売主が個人になると宅建業法の制約がなくなり、冒頭で述べたトラブルのように瑕疵担保期間をなしとすることもできる。ただ一般的には、瑕疵担保期間なしという場合は少なく、期間を3ヶ月とする場合が多い。
また瑕疵担保責任の範囲を限定するケースも多いため、売主が個人の場合、瑕疵担保責任の期間や内容についてしっかり確認することが重要である。
手付解除の期間は、売主が業者の場合、宅建業法の制約で期間を明確に定めることができないため、「当事者の一方が契約の履行に着手するまで」と記載されている。この場合の履行の着手の定義は会社によって見解が異なることから、具体的にどの時点を指すのか、契約当事者で事前に明確にしておくことが重要だ。(手付解除に関する詳しい内容は、前回の「絶対に失敗しない不動産売買契約はこれだ!(新築編)」を参照)
一方、売主が個人になると制約がなくなり、手付解除の期間を定めることができる。極端な場合、契約日の次の日を手付解除期日にすることもできるのだ。手付解除期日を越えて自ら契約を解除すると当然、違約解除の対象となり、違約金が発生する。手付解除の期日に関する確認が重要だ。
瑕疵担保や手付解除の期間は、売主が業者であれば法律によって制約があるため、トラブルは少ないものの、売主が個人であれば様々なケースがあるため、より十分な内容確認を行なうことが望ましい。期日に関しては、当事者間の話し合いで決めることも可能であるため、契約前に内容を確認し、売主と調整すると良いであろう。
おしえてBP!
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