第19回
マンション購入失敗例から学ぶ周辺環境の見抜き方
~住んでから気づいても手遅れだ~
さくら事務所コンサルタント 刀根 慎一郎氏
2005年11月24日
住まいの周辺環境とは、自分がどれだけ『納得』しているかによって感じ方が違ってくるもの。『納得』とはつまり、良い点だけでなくリスクになりえる点も事前に把握し、いざというとき慌てずに対処できるということだ。
住宅金融公庫の、平成17年に住宅を購入した約4000組の方を対象に行ったアンケート結果によると、「取得した住宅や敷地などに関して、もっと検討しておきたかったことはどれですか?」という質問に対し、38.7%もの方が「近隣の住生活環境、将来の変化」を検討しておきたかったと答えている。これは選択肢の中でも1番高い割合だった。いかに契約前に周辺環境について把握することが重要であるか、伺える結果だろう。
本稿では、さくら事務所に寄せられるご相談の中でも非常に多く、かつ精神的なダメージを受けやすい4つの事例を取り上げ、「もし周辺環境について何も知らない状態で住んだら、後で何が起こりえるのか」、そして、どうすればそういった事態を防げたのか、さくら事務所が行なう不動産調査の実例をもとに検証してみよう。
軟弱地盤に建築された住宅で地震発生!(ケース1)
(自分が住んでいたマンションだけが地震の被害・・・なぜ?)
震度7の大地震が発生し、周辺は古い建物を中心に倒壊・傾きといった大きな被害を受けた。自分が住んでいた築5年のマンションでも液状化現象が発生、地盤面が沈んで建物の一部が傾いてしまった。しかし同年代に建築されたはずの周辺のマンションでは、それほど被害がなく、大きな損害を受けたのは自分が住んでいたマンションだけだった。
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(調べてわかったこと)
古地図を確認したところ、100年ほど前、マンションの敷地は大きな沼だった。各行政で公開されている地震の被害想定でも当該地は震度7となっており、比較的弱い地盤に位置していたことは明らか。にもかかわらず、杭は強固な地盤まで到達していなかった。また、液状化の可能性が高い地域にも指定されていたものの、特別な対策が何も講じられていなかったのである。
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(契約前にこう調べる)
昔は沼だったということは、古地図を見たり、古くからの周辺住人に話を聞けば確認できる。地震の被害想定の資料も公表され、行政で誰でも簡単に確認できるのだ。
昨今の建物スペックでは、現在想定されているマグニチュード8.0レベルの地震であれば、倒壊してしまう可能性は低いといわれている。地震に対する被害の大きさは、建物の形状や耐久性によって大きく異なる可能性もあるものの、地盤環境とそれをふまえた対策を必ず契約前に確認しておくことが大切だ。
(1880年頃の地図:丸で囲われた部分は沼になっている)
(1970年頃の地図:現在の地形では沼は見当たらない)
おしえてBP!
住宅
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