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不動産の達人が教える「失敗できない時代の住宅選び」

お世話役に習熟するためにも、2~3年の任期、自薦制度も検討すべき

 理事や監事の任期は、1年~2年である管理組合が多いようです。しかし、業務引継ぎをスムーズにし、理事会活動の質を熟成することを目的に任期を2~3年として、半数ずつを改選するする組合も増えつつあります。負担に感じて担い手が少なくなってしまう、というデメリットもあるようですが、任期が延長になることはメリットがとても大きいので、取り組んでみていただきたいですね。

 理事や監事など、役員の人数は個々のマンションの総戸数や事情によって違ってくるでしょう。目安としては、理事の人数は100戸程度までなら10戸から15戸毎に1名、といったところでしょうか。300戸以上の規模なら、20~30戸毎に1名でも良いでしょう。

 監事は、ほとんどのマンションにおいて2名~3名で十分ではないでしょうか。一番運営しやすいと思われる人数に設定すれば問題ありません。

 役員の選出や改選は、所有者が順番に役員を務める輪番制を採用しているケースが最も一般的。役員の公募を掲示板に告知し、推薦・立候補を募る公募制という方法もあります。

 一概に、どの方法が良いということはありません。輪番制の場合、実質的に役員を引き受けることが困難であるケースなどの配慮も忘れないようにしたいものです。

 管理組合活動に積極的参加していただきたいという観点からは公募制に利があり、全ての所有者に公平に割り当てるという観点では、輪番制に利があるでしょう。個々のマンションの事情によって、どちらか一つの方法ではなく、両方の利点を活かした折衷案を検討する余地もあると思われます。

 ここまでの話を要約すると、マンションは複数の所有者が共同で生活する小国家だということです。マンションでの生活が共同生活であることは意識していても、マンションが小国家だと認識している人は、意外と少ないのではないでしょうか。

 小さいとはいっても国家。当然そこにはルール(法律)が必要になってきます。前段では管理組合や理事会を株式会社に例えてご説明しましたが、マンション全体を国家に例えると、管理組合総会が国会で、理事会は内閣、これからお話しする管理規約や使用細則は憲法と民法、といったところでしょうか。

管理規約を販売業者が初期設定したままにしておくと、墓穴を掘る

 管理規約は、マンションの共同生活に関する基本的なルールと、区分所有者が全員で共有する共用部分の維持管理に関するルールとの、2つに大別できます。

 区分所有法において、管理規約は管理組合が作成すると定めているものの実際には、新築時に分譲事業者があらかじめ最初の管理規約(原始規約と呼ばれています)や使用細則などを作成しているのが実情。たとえ分譲事業者が作成したものであっても、規約や細則が定められている限り、それに従わなければなりません。

 使用細則とは、駐車場や駐輪場等をはじめとする共用施設、バルコニーや専用庭などの専用使用部分などについて定めています。管理規約には決められていない、詳細な利用方法や使用料がある場合、納付方法なども定められています。

 管理規約の変更は、前回でご説明したとおり、区分所有者および議決権総数の4分の3以上の同意をもって可能となります。一方使用細則の変更については、区分所有法には明確な規定がなく、過半数をもって決するという説や、管理規約と同様の扱いであるという説、なかには理事会の決議で変更可能であるという説まであり、諸説入り乱れて大混戦という状況。実際に争いもあったりします。

 基本的に、細則の変更が規約事項に関連する場合などは規約変更と同様の扱いとし、それ以外のものについては普通決議事項とするといった規定を、予め規約や細則に定めておくことが賢明でしょうね。

 管理規約や使用細則は、マンション管理の根幹をなすとても重要なもの。

 最近はやや過熱気味とも思えるほど一般的になってきた感もある管理業者変更なども、管理規約に管理業者を特定する規定があり、簡単には変更できないようなケースもあります。

 マンションの管理と本気で取り組むためには、規約や細則について自分は何も分からない、という訳にはいきません。是非一度、お手元にある管理規約や使用細則を見直してみることをおすすめします。

 私が責任者をしている、マンション管理組合向けコンサルティングサービスにおける現場エピソードなどは、コラム日記に詳細を綴っています。ご参照いただければ幸いです。

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