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不動産の達人が教える「失敗できない時代の住宅選び」

第17回
資産価値を保つマンション管理のオキテ(2)
~会社役員とは異なる理事会・監事の役割~

さくら事務所上級コンサルタント 土屋 輝之氏
2005年11月5日

理事会や監事を会社の役員や監査役と混同して偉ぶるな!

 中古マンション取引市場の価格や流通性などの決定要因として、管理の状況がマンションの資産価値を決定するようになる時代が幕を開けようとしているということ、そしてマンション管理の主役とも言える管理組合の仕組みや、管理組合総会の重要性について、前回お伝えしてきました。

 本稿では、管理組合の中にあって中枢を担う理事会、そして理事会のお目付け役である監事についてお伝えしましょう。

 理事会は、その活動(運営)状況が管理組合の活性化に直接的に影響することから、まさにマンション管理の核となるもの。それだけに、理事会の運営方法を誤ってしまったことが原因で招いてしまったトラブルなども、残念ながら枚挙に暇がありません。さくら事務所のマンション管理組合向けコンサルティング『マンション管理の達人サービス』にも、ご相談・ご依頼が急増し、受けきれないケースもあるほどです。

 はじめに、理事会の仕組みについて簡単に説明しましょう。

 管理組合には、株式会社に例えると株主総会にあたる「管理組合総会」という最高意思決定機関と、取締役会にあたる「理事会」という業務執行機関があります。監査役にあたる「監事」という監査機関もあります。

 理事会では、理事長や副理事長といった役職を設けることが多く、一般的に理事の中から互選という形式で選ばれます。さらに、会計担当理事や渉外担当理事、修繕担当理事といった細かな分担をしている管理組合もあります。

 理事会の仕組みを株式会社の取締役会と比較すると、理事長が代表取締役である社長にあたり、副理事は専務や常務といった肩書きのイメージかと思いますが、実はこのイメージこそが理事会の運営を誤ってしまう、大きな原因となるケースが多いのです。

 営利を目的とした法人である株式会社の取締役会といったイメージで、理事長や理事が管理組合を経営しているように非営利団体である管理組合の理事会を運営し、尊大な態度や発言を行なう理事会の方々がいらっしゃいます。こういった立ち振る舞いは、管理組合の運営を衰退させてしまう元凶ともいえるもの。是非気をつけていただきたい点ですね。

理事・監事は「究極のお世話役」と思っておけばちょうどよい

 理事会が業務執行機関であるということは前述のとおりですが、実際に取り組む業務はマンションごとの事情によって異なるものの、おおよそ次のようなものです。一覧にしてみましたのでご参照ください。

 このとおり、理事会に決定権があるものはありません。集会の決議を実行することと、規約に定められたことの履行、ならびに提案事項の作成をすることだけが理事会の業務なのです。しかもこれらの業務は、過半数以上の理事が出席する理事会で、参加した理事の過半数以上の同意をもってして、はじめて執行することができるようになります。

 理事長は、建物の共用部分、敷地、付属施設の保存行為を行う権限があり、その他にも事故防止の管理、消防法といった法律上の管理者も理事長です。 理事長には管理者としての権限がありますが、管理組合は所有者全員で構成される団体であるため、当然ながら独断専行で暴走することは許されません。 理事会や総会の手続きを無視した業務や、会計を行った結果として、後日その責任を追求されるようなトラブルも残念ながらおこっています。注意していただきたいものです。

 万一トラブルが発生して、裁判で争うことにでもなれば、理事長は原告にも被告にもなる可能性があると、区分所有法において規定されています。

 ここまで、理事会や理事長に関することをご説明してきました。

 そしてそれらの業務が管理組合の総意やルールに則って実施されているかを監視し、軌道補正するのが監事の役割。監事は理事ではないため、理事会に出席しても議事の賛否を決する決議には参加できないことになっています。

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