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不動産の達人が教える「失敗できない時代の住宅選び」

中古住宅にも耐震診断が進めやすい環境を

 価値が落ちない住宅を造るのは、何も容積率を上げなくてもできる。「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が2009年6月までに施行される予定だ。長く大切に使える住宅を造り、適切に点検やメンテナンスを行う」という理念を具現化するものとして期待されている。「劣化対策」や「耐震性」「維持管理・更新の容易性」「可変性」「バリアフリー性」「省エネルギー性」「居住環境」「住戸面積」「維持保全の方法」などの項目について基準を設けるほか、先導的なモデルとなる事業に予算をつけて育成、特別の減税措置も実行される予定だ。

 また住宅金融支援機構がこのような住宅に対して、これまで最長35年だった住宅ローン期間を50年に延長する「フラット50」をリリースする。ただこの政策は、現在の構想のままではまだ弱い。減税額を大幅にするか、住宅ローン金利を控除するなどこれまでにない策を施すか、何かもう一押し思い切った政策がほしいところだ。ローン期間も、50年では従来の35年と比べて毎月の支払額がほとんど変わらないから、70年とか80年にしてもよいのではないか。価値の落ちない住宅の仕組みを作り上げたドイツなど、他国にも事例がある。その際には住宅を売買する際に債務も引き継げる法的枠組み、仕組みもほしい。

 なにより大切なのは、いま既に建っている中古住宅をどうするか。例えば耐震診断や改修がなかなか進まないのは、住宅の所有者を対象としているからだ。耐震に対する関心は、住宅の所有者より圧倒的に購入者のほうが高い。例えば住宅購入者が、住宅ローン減税を受けようとする場合、資格者による「耐震基準適合証明書」が必要だが、これはなんと、中古住宅の引渡しまでに耐震改修が終わっていなければならないことになっている。中古住宅の購入者は、引渡しを受けてからでなければ改修工事を行うことは物理的に不可能だから、購入者には基本的に使えない制度なのだ。これを引渡し後の改修でもよしとする制度に改めるといい。

 そもそも、耐震診断や改修が進まないのは「コスト」の点も大きい。一般的な住宅の耐震改修費用は平均的に120万円程度かかるが、自治体などの補助は50万円程度までのことが多く、どうしても二の足を踏む。投資減税が創設され、200万円まなら10%の減税となるが、まだ踏み込みが浅い。防災的な観点、住宅に資産を持たせる観点から、ここに税金を投入する価値は大いにあるだろう。省エネ性を高めるリフォームもしかりだ。

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