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不動産の達人が教える「失敗できない時代の住宅選び」

購入前に「自分はどのように生きるか」見定めよ

 ここで、結論を申し上げる。マンションを買っても買わなくても、あなたやあなたのご家族は幸福になれる。いずれを選択するにしても、大切なのはそこに「自身の深い納得」があるかどうか。「自身の深い納得」のうえでの決断が、結果的に「買う」であっても、「買わない」であっても、それはまったく問題がなく、そのこと自体に良い、悪いなどない。

「友人や同僚とか、周りが皆マイホームを買っているから、そろそろ自分も」といった相対的な価値観の中から「自身の深い納得」を見出すことなど、決してできない。また、先行き不透明な年金や収入、やがて確実に訪れるであろう増税や社会保障負担額のアップといったことに対する社会的な将来不安や、「年をとったら住宅を借りられなくなるのでは」などの「不安を解消するため」の行動は、やはり「納得」や「幸福」とは結びつきにくい。

 まずは、あなた自身のライフスタイルやライフサイクル、人生における夢や要望を、きちんと整理してみよう。わたしたちは日常生活の中で、意外と長期的な視野には立っていないもの。どうしても日々の生活に忙殺され埋没しがちで、ロングスパンでの構想や視野をなかなか持つことができない。ところがマンションを購入する際には、30年や35年といった非常に長期の住宅ローンを組むことになる。また一度所有したマンションは、そう簡単に手放すことができない。不測の事態が起きたときには、ほとんどのケースで大きな売却損が出たり、頭金として拠出した大切なお金を代償として支払ったりすることになる。

 マンション購入の可否を決断する際は、「自分自身の“人生哲学”がどれだけ磨かれているか」ということが問われる。“人生哲学”とは、「自分はどのように考え、どのように生きるのか」ということ。“人生哲学”という軸が自身の中心にしっかり定まったうえで初めて、納得のいく決断ができる。そのうえで、今買うか、買わないかといった決断をすることが大切だ。

 自身の哲学を磨きながら、同時並行的に新築マンションのモデルルームや販売センターを回ることはまったく構わないと思う。ただし、哲学という軸が定まらないその段階で、購入を決定してしまうことは、先述の理由から決してお勧めはできない。マイホーム購入というのは、自身と向き合う絶好の機会だ。

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