第102回
マンション 買うか、買わないか
さくら事務所取締役会長 長嶋 修氏
2009年2月12日
会社員のご主人 K.N さんは32歳。30歳の奥様と4歳の子どもの3人家族で、2DKの賃貸アパートに住んでいる。毎月の家賃は8.8万円。
新婚当初に借りたこの部屋は、当初は夫婦2人で十分の広さがあったものの、子どもができ成長し、生活をしているうちに家財や荷物も増え、だんだんと手狭になってきた。賃貸契約の更新期限である4月も近づき、その際にはもちろん更新料の出費がある。また最近、子どもが部屋の中で駆け回ったり飛び跳ねたりするため、階下の住民に迷惑をかけてはいないかという心配も。
そんなある日、K.Nさんは、新聞の折り込みチラシにこんな見出しを見つけた。「今の家賃と比べてみてください!夢の新築マンション 3LDK 月々9万円~!!」
豪華なカラー広告には、最新の住宅設備やマンション共有施設がずらり。今住んでいる賃貸住宅とは大違い。住宅ローンを組んでも月々の支払いは今とほとんど変わらない、それなのにより広く、おしゃれで今の設備とは大違いのマイホームで暮らすことができるのだ。
「とりあえず、モデルルームにでも行ってみようか?」
新築マンションのモデルルーム・販売センターは、「必ず気に入るように」つくられている。生活感がなく、高級家具やオプションばかりで瀟洒(しょうしゃ)に彩られたモデルルームでは、誰もが「自分もこれと同じような生活が送れる」かのような夢を描くもの。K.Nさんご夫婦も例外でなく、モデルルームを見て大いに気持ちが盛り上がっている。人間は感情の動物だ。まず「このマンションが欲しい」「ここに住みたい」という感情の盛り上がりがあってはじめて、理屈の上で納得しようとする。
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