中古住宅の売買時にこそ耐震診断の支援を
できることはたくさんある。既存住宅の価値を維持し流通量を高めること。リフォームやリノベーション市場を育成すること。耐震診断や耐震改修、断熱リフォームや省エネリフォームを推進するなど、中古住宅市場を整備し流通比率を高めること――だ。
実際には国はこれらの項目について、既に一定の方策を打ち出している。だがなんとも中途半端で物足りないのだ。例えば耐震診断は、住宅を所有していることを前提にした支援策になっている。しかし、いまそこに住んでいる人が、時間とお金をかけて耐震診断や改修を行うかというと、実際にはなかなそうはならないものだ。問題意識を持ちながらも、「実際にこれまで住んできたんだし、今日も明日も何とかなるだろう」と、ずるずると先延ばしになるケースが大半である。
耐震診断や改修を促進するには、中古住宅を売買する際に行うのが最も効率的だ。これから住宅を購入しようとする人は、自分が購入する物件について「欠陥住宅ではないか」「いつごろ、どこに、いくらくらいのお金がかかるのか」などの問題意識が強く、不安も多い。この中古住宅取引時に、併せて耐震診断や改修がより有効に行えるよう制度を改正したほうがいい。
耐震診断が進まないために、住宅ローン控除も有効な対策となっていない。というのも、現在は、中古住宅の住宅ローン控除を受けるためには、住宅の所有者が耐震診断や耐震改修を行って「耐震基準適合証明書」を取得していることが条件となっているからだ。前提条件が進まないのだから、住宅ローン控除も有効に機能しないという構図だ。
壁の中に断熱材を入れて省エネ性を高めるなどのリフォームも、やはり既に住んでいる人が行うより、これから住宅を買う人をターゲットにして行うのがよい。
今国会を通過する見込みの税制で一定の支援はできる見込みだが、まだまだ物足りないと感じる。CO2削減などの、国を挙げた環境対策の一環としてもっと強力に推し進めていいだろう。
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