バックナンバー一覧▼

不動産の達人が教える「失敗できない時代の住宅選び」

第10回
住宅の資産価値は自分の手で高める!
~決め手はメンテナンスとリフォームにあり~

さくら事務所上級コンサルタント 吉野 昌浩氏
2005年9月20日

「新築」ばかりが住宅ではない

 住宅購入というと、まず「新築」住宅を思い浮かべる方が多いのでしょうか? 確かに、新しくて仕上げもきれいで最新の設備が整っている住宅は、魅力的に映るかもしれませんね。そうした中で、新築は高くて買えないから妥協して「中古」住宅を購入する、といった選択肢をとる方もいるでしょう。

 一方、それとは正反対の価値観、違った考え方や行動が今、「最先端でカッコイイ」と住宅購入者の方々に広まりつつあるのをご存知でしょうか?

 そもそも、新築に目がいきがちで中古はやむを得ない選択、という考え方自体どうなのでしょう。新しいものには新しいものなりの良い部分があり、古いものには古いものなりの良い部分があります。日本の文化とは、古いものに価値を見出せない文化ではないはず。ところがこれまで長らくの間、日本の住宅はスクラップ&ビルドという不自然な図式が繰り返されてきました。

 古いものを壊して新しいものを建てることだけが魅力的な住宅を造る方法ではありません。古いものであっても、新しい技術や手を加えることによって、より魅力的に再び息づくことができるのです。その潜在的能力を秘める古い住宅は、単なる中古住宅とは一線を画します。さくら事務所ではそんな住宅を「ヴィンテージ住宅」と呼んでいます。

 また、潜在的能力を秘めた「ヴィンテージ住宅」は永く大切に使い、定期的に手入れし、自分らしくリフォームすることで、一層ヴィンテージたる趣をたたえることとなるでしょう。そして住まい、手入れする自分自身が、より愛着を深めることにもなるでしょう。

 そんなヴィンテージ住宅を目指し、古き良きものに価値を見出して極めるライフスタイルを好む風潮が、前述したとおり購入者の方々の間で注目され始めているのです。

真のヴィンテージ住宅を見極めよう

 永く快適に住まうことができるヴィンテージ住宅。そのためには、まずおさえておかなければならない重要ポイントがあります。それは、購入する建物の本質的性能を見極めること。大前提として、大地震がおきたら倒壊する可能性がある建物には、永く安心して住まうことはできませんね。また、排水管が劣化して詰まりやすくなっていたり、水漏れを起こしてしまうようでは、気持ちよい生活は送れないでしょう。

 そういった懸念がないか事前に把握するためには、外からは見えない部分を含めた確認を行う必要があります。床下の点検口から配管類を確認したり、天井裏からの断熱の状況や排気ダクト、電気配線の確認や、もっと詳細に調べるなら建物調査(インスペクション)を専門家に依頼するといったことで、建物の本質を見極めることが重要なのです。

床下点検口

天井点検口内部

 建物の現状を把握するメリットには、これから先の計画を立てることが可能になることもあげられます。建物をより長持ちさせ、性能を保つには、各所の劣化でさまざまな不具合が生じるたびに対症療法的な修繕(=メンテナンス)を行うよりも、不具合を事前に防ぎ、先を見据えて行なう「予防的・計画的修繕」が欠かせないのです。

おしえてBP!

住宅

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。