アンカーボルトの入れ忘れについて
継手部分にアンカーボルトがない例
柱の真下にアンカーボルトが設置されている例
実際の工事でアンカーボルトが入っていないケースをしばしば見受ける。その原因は2つ考えられる。
・図面の段階でアンカーボルトが書かれていなかった場合
・事の段階で、単純にアンカーボルトを入れ忘れていた場合
実際の現場では、単純なアンカーボルトの入れ忘れより、図面の段階でアンカーボルトが書かれていない場合の方が多いのではないだろうか。
プレハブ住宅や、鉄骨造では、図面の段階でアンカーボルトを書き忘れていたということはあまりない。木造住宅に多いのである。
木造住宅の土台は、途中で材を繋いでいることが多い。材をつないだ位置にはアンカーボルトが必要だが、図面の段階で継手の位置を確定していないことがよくある。この場合、基礎の図面にそれが反映されないため、アンカーボルトの入れ忘れとなる。
以前さくら事務所がチェックした現場で、継手15箇所のうち、14箇所ものアンカーボルトがなかったことがある。現場監督に聞いたところ、1階の図面が出来ていないのに、基礎工事を始めたのが原因だった。
アンカーボルトが足りないのとは逆に、柱の真下に余分なアンカーボルトが設置されていることも。これも、1階の図面と基礎の図面を照合していないことが原因。設計から完成までの期間を短く設定している業者によくみられる問題だ。
これらの問題を防ぐためには、土台の継手位置や筋かいの位置を完全に確定した上で1階の図面(1階床伏図)を作り、その次に基礎の図面を作るだけでいい。アンカーボルト位置の間違いは、この段階でほとんどが防げるのだ。
欠陥住宅をあらかじめ防ぐには、それらの図面が出来るまで、建物の契約をしない方が良いだろう。
図面が正しければ、現場チェックの際、図面と現場のアンカーボルトを照合すればよいだけ。簡単である。図面の上のアンカーボルトの位置を、1本ずつマークしていけば確実に確認できるだろう。
アンカーボルトの傾き
アンカーボルトが傾いている例
アンカーボルトの先行取り付け
アンカーボルトが傾く原因は、コンクリートを流し込む前に、あらかじめアンカーボルトを固定していなかった可能性が高い。
アンカーボルトの設置方法は2つある。
・コンクリートを流し込む前にあらかじめアンカーボルトを型枠などに設置しておく方法
・コンクリートを流し込んだ後に、手で植えていく方法
後者の方法だと、アンカーボルトの傾きや位置のずれが起きやすい。住宅金融公庫の仕様では、コンクリートを流し込む前にあらかじめアンカーボルトを固定する方法で行うことを定めている。
大手のハウスメーカーでも、あらかじめアンカーボルトを型枠などに設置することを標準としているのが一般的だ。
アンカーボルトが傾いたり、ずれたり、深く沈んでしまう危険性を考えれば、あらかじめアンカーボルトを固定しておくのが当然の選択。施工業者に、手植えでアンカーボルトを設置しないように言っておこう。
配筋のチェック
これまで述べたような対策を工事が始まるまでに取るだけで、細かなミスや欠陥は起き難くなるはずだ。
さらに基礎の鉄筋の太さや、配置、継手の長さなどの詳細なチェックには、建築の基礎知識を必要とする。配筋の具体的なチェックは、建物調査の専門家に任せるのが安心ではないだろうか。
コンクリートの打設
建物を作るときには、工事を担当する現場監督が1人以上いるのが一般的。工事の確実な施工を管理するのが現場監督の役目である。ところがさくら事務所の現場経験でみると、コンクリートの打設には立ち会わない現場監督がほとんど。ざっと4割以下ではないだろうか。
そのため、現場には作業を行う職人だけということが少なくない。すると施工チェックの機能が働かなくなってしまう。問題が起きないようにするためには、建築主や第三者である専門家が工事に立ち会うことが有効だ。
この立会いの一番の目的は、「誰かが現場をチェックしているから、誤った施工は出来ない」という現場に対する抑止力。
コンクリートの打設作業で、注意して見る必要があるのは、以下の2点。
・コンクリートに水を入れないこと
・コンクリートが搬入されてから、流し込むまでの時間が長くないかの確認
コンクリートに水を入れると強度が低下してしまうため、もし職人が水を入れようとした場合には、必ず止めること。雨の日のコンクリート打設は、コンクリートに水を入れることと同じなので、雨の日にはコンクリートを打設してはいけない。
コンクリートが搬入されてから流し込むまでの時間が長すぎると、コンクリートの打ち継ぎ部分に問題が出てしまう。
この問題を防ぐためには、コンクリート工場を出発してから、コンクリートの打設が完了するまでの時間を、
・気温が25℃より高ければ、 90分以内
・気温が25℃を下回っていれば、120分以内
とするのが望ましい。
ここまでの基礎の工事に問題がなければ、次はいよいよ建物のチェックとなる。次回、その具体的な方法についてお伝えしていくことにしよう。
おしえてBP!
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