住宅の設計には「工学的理論」が必要
建物の骨組みや基礎の仕様、温熱環境の性能はすべて、理論的な計算によって求められ、いずれも感覚的に決められているものではない。それらを算出するための技術と裏付けがあるのだ。
日本では、一戸建ての大半が木造で作られている。しかし過去数十年間、優秀な技術者のほとんどは大手のゼネコンなど、鉄筋コンクリートや鉄骨造を手がける企業に勤務し、木造の一戸建てには関わってこなかった。結果、阪神淡路大震災が起こるまで、木造の研究はほとんど行われず、木造に詳しい技術者の育成が進まなかったのだ。建物を建てる時には、その大半を現場の作業者の「勘」と「経験」とに頼る状態が長らくあったのである。
本来、感覚的なデザインを除けば、建築とは理論的なもの。柱や梁の大きさの求め方、太陽の日射量、建物に必要な空調機の能力の算定方法など、いずれも理論的である。つまり、建築とは芸術や美術ではなく「工学」なのだ。全国の大学の建築学科が、工学部に属していることからも明らかであろう。
そのため、建物の本質的な部分の性能を上げるためには、理論的な裏づけを有する建築の技術者が必要である。本当の技術者なら、それぞれの性能を「感覚」ではなく、「数値」で示してくれるはずだ。
建物の本質的な部分の性能を上げ、長持ちする住まいにするためには、建物を工学的に判断できる設計者・建築士を探すことが必要だ。そういった設計者・建築士を探すには、性能に関わるいくつかの質問をすれば、すぐに判別できる。
これからの日本は、人口も減れば、住宅の着工数も減る。それに従って、建築業に従事する人も減っていく。これからの建築業に残るのは、プロだけでいい。見た目や、設備の豪華さにお金をかけ、本質的な部分がお粗末になっている、中身のない建物をこれからも作り続けるのは、日本全体にとって不利益だ。購入者がしっかりとした知識をつけ、建物の本質に力を入れている、購入者のことを考えた住まいづくりをしている業者を選び抜こう。
購入者が、見た目や設備の豪華さだけに目を奪われなくなれば、建物は必ず良くなる。
建物を工学的に考えられるプロの設計者・建築士に図面を作成してもらったら、次に重要なのは、図面どおりに建物が建てられるかどうかのチェックとなる。自分の住まいが「欠陥住宅」にならないためのチェックだ。
次回からの2回は、その具体的なチェック方法について詳細を説明していこう。
おしえてBP!
住宅
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