第3回
「欠陥住宅」はどうしたら避けられるか
さくら事務所コンサルタント 大下 達哉氏
2005年7月25日
家を建てる際の最大の不安「欠陥住宅」
家を建てるときに心配・不安なこととは、何だろうか。費用、税金や契約、シックハウス、地盤の状態や耐震性能…。考えなければならないことが多いだけに、何かと不安や心配事も多いだろう。
中でも一番の不安は「建物はしっかり建てられるのか」「欠陥住宅にならないか」ということではないだろうか。インターネットやテレビなどで欠陥住宅の情報を知ると、多くの人が自分の家に対しても同様の不安がよぎることだろう。
欠陥住宅を防ぐために大手のハウスメーカーを選べば安心、と考える人もいる。結論から言うと、それは正しくない。大手であっても、実際に建てるのは下請けとなる地元の工務店がほとんどなのだ。結局、工務店の技術レベルによって、多少なりとも仕上がりにばらつきがでる。実際、さくら事務所のコンサルティングにおいても、大手施工であっても問題が散見される家を数多くみてきた。「大手 = 安心」という図式は、残念ながら成り立たないのだ。
また、建物の欠陥を防ぐために現場に入る購入者もいる。そのこと自体はいいのだが、購入者がチェックしているのは、仕上がり面の傷や材料の色の違いなど、表面的な部分であることが多い。本来、建物の欠陥を防ぐために必要なのは、建物の本質的な部分のチェックなのだ。
「建物の本質」にどう迫るか
では具体的に、建物の本質な部分とは何だろうか。間取りか、内部の仕様か。
答えは、骨組み(構造)と基礎、そして建物の外皮である。内部の仕上げにたとえ珪藻(けいそう)土を使おうが、無垢(むく)のフローリングを使おうが、豪華なオプションが入っていようが、それらはあくまで表面の仕上げであり、建物の本質ではない。
建物の強さは、骨組み(構造)と、力を地面に伝える基礎の性能で決まる。そして、建物の省エネルギー性能や快適性のほとんどは、断熱・気密層を線で結んだ「建物外皮」と呼ばれる部位の仕様によって決まる。「建物外皮」の性能が高ければ、内部で使う空調機器の能力を下げることができるのだ。また、正しい仕様・施工で建てられれば結露が生じることもなく、結露を原因とするカビや腐食が起きることもない。
建物を長く快適に利用できるかどうかは、骨組み(構造)と基礎、建物外皮の性能・仕様による影響が大きい。内部の仕上げと建物そのものの寿命とは、ほとんど関係がないのである。
さくら事務所が未完成のマンションや一戸建ての建物調査(インスペクション)を行なうとき、内部の仕上げやクロスの汚れ、ユニットバスやキッチンなどの仕様は、ほとんど気にしないと言っても過言ではない。これは、既存物件(中古物件)の場合も同様だ。
半面、構造や基礎に関わる部分に関しては、ファイバースコープカメラ、サーモグラフィカメラなどの専門機材も使い、隅々まで詳細な調査を行う。構造・基礎の仕様や劣化の程度は、建物の寿命に関わるだけでなく、そこに住まう人の生命にも関わってくるためである。
ファイバースコープカメラ
サーモグラフィカメラ
調査で発見された不具合については、詳しくは「さくら事務所代表 長嶋修のブログ」をご参照いただきたい。
建物の条件や図面の有無によっては、耐震診断も行っている。耐震診断で、地震の際の被害が大きいと判断されたときには、適切な補強方法もお伝えしている。
耐震診断の結果、被害が大きいと判断された例
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