今日のごはんなに? 食卓から見える世界

食卓で、ドライブの車中で、食べものの語彙を拡げ、食文化を守る

 そこで提案。食卓を囲むとき、たまに意識して「その味わい」を言葉にしてみませんか。茄子の黒光りするような艶のある皮の様子や、サラダに入っているレタスのパリッとした食感、漬物をかじるポリッコリッという音、果物の甘やかな香り。

 子どもたちは自分が今何を食べているかに意外と無頓着なので、「今日の小松菜、シャキッとしておいしいね」と言えば、「ああ、小松菜なんだ」と、意識を食べものに向けるきっかけにもなります。

 食卓以外でも、たとえば日本語に445もあるという食感を現す言葉だけでしりとりをするなどの遊びは、ドライブの車内でもできます。

 そこにある「差」や「違い」を感じる感性があるから言葉が生まれるのなら、言葉が消えてしまえば、その感性も、そしてもしかしたら差や違いを感じようとする意欲さえも消えてしまうかもしれません。

 食べて感じたことを言葉にする。――そんなちょっとしたことの積み重ねが、昨今メディアでもよく目にする「食育」の第一歩、そして食文化としての言葉を「消滅から守る」地道な努力、と思うのですが、いかが。

プロフィール


サカイ 優佳子(さかいゆかこ)

サカイ 優佳子氏

フードコンサルタント。「食の探偵団」団長。東大法学部卒業後、外資系金融機関等に勤務。娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。雑誌、Webなどにレシピを提供する他、2002年から食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。「五感で感じる」「食を楽しむ」をキーワードに食への新たな視点を提供している。これからの食育のあり方に関する講演、ワークショップ多数。米粉の使い方の研究、グリーンツーリズムに取り組む民宿やレストランのための、地元食材を活かした料理提案にも力を入れている。

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