第55回
リスクに強くなる保険の調達方法
リスクコンサルタント 浦嶋 繁樹氏
2009年3月13日
「リスクに強い財務――その強さに比例してチャンスをつかむ可能性も増える」と今まで提唱してきた。そうした意味でも、このたびの世界大不況は、赤字に陥る企業を続出させ、確実にその企業のチャンスを失わせている。さらに日本国のチャンスも失わせているといえよう。
財務力は「純資産(自己資本)」「税引き後利益」「資金調達」「財務移転」――の4つの強化で達成される。赤字になるということは準備金、任意積立金、引当金などを積む力が減少し、保険料などの負担も増すことになる。つまり、リスクに対するファイナンス力の低下なのだ。
リスクファイナンスには大きく「財務保有」と「財務移転」がある。財務保有は、損失を自社で負担する自己金融の資金繰りのことであり、財務移転は、保険など契約により自社の損失を第三者に負担してもらうものである。
ここでは、「財務移転」としての保険の調達について述べてみたい。
保険は一般的に保険会社か保険代理店などを通じ購入する。しかし保険契約を見てみると、財務ルールを決めずに保険を調達しているケースを多く見かける。
2006年5月施行の新会社法では、取締役の責任として「損失の危険の管理に関する規定と体制」を構築するよう書かれているのだが、当然、その具体的な規定としてあるべき「財務保有と財務移転の規定」はほとんど見たことがない。そこでここでは「リスクマネジメント規定書」の作成をお勧めしたい。その中に「財務規定」を設け、その規定に沿って保険の調達を考えていただきたい。
あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください
この連載のバックナンバー
- 「産業構造の転換点」という視点で今の危機を見つめる (2009/02/23)
- 日本の製造業にモラールハザードは起きるのか (2009/01/23)
- 今、企業利益に直結した政策を期待する (2008/10/30)
- 洞爺湖サミットから見えた環境ビジネス (2008/08/07)
- 経済財政白書も指摘する日本のリスク (2008/07/31)

