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リスクを飼い慣らせば未来が見える

第35回
リスクマネジメントではなかった不二家の経営管理

リスクコンサルタント 浦嶋 繁樹氏
2007年2月2日

 不二家は、問題発覚から苦悩が続いている。個人的には「ペコちゃん」に頑張って欲しいのだが、銀座の本社ビル売却など、いろいろな資産を切り売りしても果たして自力再生できるかどうか厳しい状況だ。

 不二家はISOを導入していたようだ。もちろん食品の安全管理マニュアルも存在した。しかし、そのマニュアルに書かれた自主基準そのものが法令上問題であったらしい。黄色ブドウ球菌、大腸菌などの数が最初から法令違反だった。

 以前、大問題となった雪印乳業はHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)という食品の安全管理手法を導入していた。しかし機能しなかった。これはいったいなぜなのかを考えてみたい。

 ISO、HACCPどちらも業務管理を効率的に行ない、経営の(判断ミスなどのリスク管理を含む)精度を上げるシステムであり、それなりの価値のあるものだと思う。しかし、機能しないとなれば導入した意味はない。ここは原点に立ち戻り、もう一度ISO、HACCPを考えていただきたいものだ。

 今、CSR(企業の社会的責任)を達成することは企業の存在意義とも言え、企業の責任は社会貢献であると言っても過言ではない。安定的な商品・サービスの提供、安定的な雇用、安定的な納税などで社会に貢献する。これこそが企業の使命であり、その使命を達成するために(リスクを吸収する)利益が必要である。そうした観点から業務効率を上げ、安定的な商品サービスの提供をするためにISOやHACCPを導入したはずなのだ。それなのに、と誰しもが考える。

 わたしが考えるに「経営管理」がリスクマネジメントに切り替わっていないのではないかというのがポイントだ。新会社法、日本版SOX法対応はERM(全社的リスクマネジメント、統合リスクマネジメント)が基本システムであり、そうしたリスク管理手法としてISO、HACCP、業務のマニュアル化が機能するべきであり、内部統制の一面も強い。

 つまり、リスク管理、リスクマネジメントの観点から内部統制を考えない限り内部統制の本来の価値は薄れてしまうと思う。

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