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犯罪に立ち向かうテクノロジー

第41回
生体認証破り――国の安全に「穴」が開いた

松村テクノロジー社長 松村 喜秀氏
2009年2月13日

 先月(2009年1月)、小さな扱いだったが注目すべき新聞報道があった。それは、51歳になる韓国人女性が偽造パスポートを使って青森空港から日本に不法入国し、東京入国管理局に捕まって、韓国に送還されたという事件である。

 問題は青森空港で実施されている指紋認証の審査をすり抜けてしまったことだ。新聞報道によると、女性は「特殊なテープを人差し指に張って指紋を変造した」とあるが、この特殊テープとはシリコーンである。シリコーンで他人の指紋を偽造し、それを接着剤などで指に張って、認証を通過してしまった。

 特殊テープは、不法入国した女性が自分で偽造したわけではない。不法入国を斡旋するブローカーがいて、彼女はそのブローカーから偽造旅券を購入したときに渡されたという。特殊テープを、日常的に作っている組織の存在が浮かび上がってきたのだ。

 この事件は入管で指紋認証審査を行っている米国や日本、そして検討を進めている国々に大きな衝撃を与えた。

 特に、テロリスト対策の決め手として指紋認証を導入した米国のショックは大きく、現在、緊急で対策を検討している。

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