小さなルール違反が犯罪につながる
スポーツが成り立つのはルールがあるからだ。選手がルールを守って競い合うから面白い。
社会も同じだ。皆が楽しく暮らすには社会のルールが要る。法律だけではない。ゴミを路上に捨てないといった生活上の小さなルールも大切だ。
昔は町の中に「ご意見番」がたくさんにいて、ゴミなどを捨てようものなら怒られたものだが、最近は誰も怒らないし、注意もしない。注意をしたら何をされるか分からない世の中になったことが、そうさせているのだろう。
小さな社会ルールを守らないと、子どもたちが真似をする。そして、それがいつか犯罪に結びつくことが心配だ。刺したり、殴り殺したりといった凶悪な犯罪にエスカレートしはしないか。
気をつけるべき子どもの犯罪が万引きだ。「万引き」などという特別な言葉で言うから罪の意識が薄いのだが、これはれっきとした泥棒である。
警察庁の『平成18年の犯罪情勢』によると、少年による窃盗犯のうち、万引きは3万件強と、半数近くを占める。件数そのものは対前年より17%程度減っているが、少年犯罪の初期段階の非行(初発型非行)の中で、万引きは36.5%と、「占有離脱物横領」(放置自転車に乗ったり、自販機のおつりを黙って持ち去るなどの横領)36.9%に次いで多い(警察庁『平成18年少年非行等の概要』より)。
東京都がまとめた『万引被害実態調査』(2004年)では万引き犯のうち6割が高校生以下だ。中学生が22%、高校生が28%を占める。
万引きをつかまえた場合の対応としては、小学生までは「家族に通報」が一番多いが、中学生以上になると「警察に通報」が多くなる。
万引きの被害は子どもの犯罪と見過ごすわけにはいかないほど深刻だ。複数の人間による悪質な組織的万引きもあり、書店やコンビニが閉店を余儀なくされるほどのケースもある。
ところが、通報を受けた親は謝るどころか、「払えばいいんだろ」と開き直ることがある。警察も数千円の被害では熱心に動かない。結局、店側に一番ていねいに謝るのは学校の先生だという。親側に子どもを導こうという気持ちがあるのだろうか、いやその前にモラルや道徳観があるのだろうか。
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