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犯罪に立ち向かうテクノロジー

第24回
「タスポがないと買えない」という宣伝のウソ

松村テクノロジー社長 松村喜秀氏
2008年5月23日

 この7月までに、全国でたばこの自動販売機に成人識別装置が義務づけられていることは多くの読者がご存じのことと思う。当初、顔写真入りICカード「タスポ(taspo)」を唯一の識別方式としていたが、財務省は4月10日、ありがたくも運転免許証による識別も認めた。実は、この運転免許証による識別装置は、わたしの会社、松村エンジニアリングで作っている。

 現在、多くの引き合いがあり、社員はてんてこ舞いの状態である。その意味で、今回の成人識別の取り組みについて、わたしは関係者の一人になってしまったわけだ。タスポとはライバル関係ということになる。そうしたわたしの立場からタスポに対して苦言を呈するのは、フェアではないとのそしりを免れないのかもしれない。

 だが、日ごろから電子マネーが増える(タスポには電子マネー機能が付いていて、事前に1000円単位でチャージしてたばこを買うことができる)ことに警鐘を鳴らしている立場からも、また、愛煙家の一人としての立場からも、タスポについてはコメントさせていただきたいと思う。今回のタスポ導入の過程には、いかにも理不尽な点が多いのだ。

 ここで簡単に、たばこ自動販売機の成人識別について触れておこう。この制度は既に3月から鹿児島や宮崎で始まり、7月には東京、神奈川、千葉、埼玉など首都圏でもスタートする。

 7月以降は、タスポなど成人識別装置のない自動販売機は、関係各所から厳しい処分を下すことができるようになる。

 タスポは未成年者の喫煙を防止することを目的に社団法人日本たばこ協会、全国たばこ販売協同組合連合会、日本自動販売機工業会が運営している。

 タスポ利用者は申込書に運転免許証など身分証明書のコピーと顔写真を添えて、日本たばこ協会に申請し、写真入りのICカード「タスポ」を入手しなければならない。確かに、タスポが唯一の成人識別方式であるならば、自動販売機ではタスポがないとたばこを買うことができなくなる。

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