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犯罪に立ち向かうテクノロジー

第11回
お人好し日本人の危ない旅

松村テクノロジー社長 松村喜秀氏
2007年11月22日

 以前、仕事で韓国に行ったとき、同行した男性スタッフが夜、遅くなってもホテルに戻ってこないことがあった。わたしは心配になって、探したのだが見つからない。もしや、犯罪グループに捕まっているのではないかと心配で眠れなかった。

 すると、深夜になって酔っぱらって帰ってきた。わたしは「なぜ、何も連絡せず、こんなに遅くなったのだ!?」と怒ると、悪びれずにこう答えた。

 「タクシーに乗ったら、たまたま日本語のできる運転手で、誘われるままに自宅へ行って、一緒にチゲ鍋を食べて、眞露(じんろ=焼酎)を飲みました。楽しかったですよ」。

 わたしはあきれてものが言えなかった。前回も書いたように海外でタクシー運転手から日本語で話しかけられたら注意した方がいい。

 その運転手はひょっとすると善良で、日本が好きで、彼を歓迎したのかもしれない。だが、それは結果論だ。もし、悪意のある人物だったら、酒に睡眠薬でも混ぜて眠らせ、身ぐるみはいで、どこか路上に捨ててしまうこともできる。

「いやあ、松村さんと違って、僕には盗られるカネなんてありませんから、大丈夫ですよ」。

 カネはなくても、彼はパスポートを持ち歩いていた。パスポートを盗られて、売られる恐れもあった。第一、彼がパスポートをなくしたら、警察や大使館に届け出て、手続きに時間もかかり、仕事に支障が出る。そうしたリスクをほとんど考えていない。

 だいたい、日本にいて彼は同じことをするだろうか。タクシー運転手から「自宅で食事でもしない?」などと誘われることはないと思うが、もし誘われても話に乗らないだろう。

 ところが、海外に行くと日本人はとたんにお人好しになって、すぐ人を信じてしまう。

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