第5回
偽の日本製パスポートは薬局で売っている
松村テクノロジー社長 松村喜秀氏
2007年8月31日
かつて、外務省は「日本のパスポートの偽物など作れるわけがない」と豪語していた。
確かに日本のパスポートにはさまざまな偽造防止の方法が取り入れられているが、世の中に偽造できないものなどほとんどないのだ。
わたしはかつて捜査当局の依頼で、偽造パスポートを鑑定したことがある。紙の素材から刷り込まれた装飾模様、文字の書体、写真のページの透明フィルムなどを高倍率のルーペで丹念に調べたが本物と変わりがなかった。
偽造の際に起こりがちな文字のつぶれなどもない。透かしもきちっと入っており、使われている蛍光物質も正規通りだった。写真の転写も色ムラ一つないのだ。光学分析機を使ってインクの成分まで調べたが、ついに違いは見つけられなかった。
実によく出来ていて偽造と思われなかったが、その捜査当局は偽物であることは間違いないから、その証拠を捜し出してくれというのだ。
わたしはため息をついて、再度、ルーペで逐一鑑定し始めると、何かに違和感を感じた。なんと、それは糸だったのだ。パスポートを綴じている糸が本物よりわずかに太く、二度縫いしていた。
それを見つけたときは本当にうれしかったものだ。
あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください
この連載のバックナンバー
- フィリピンで発見された「偽1万円札」の精巧さを調査。その出所を推理する (2009/04/21)
- 4月に新住基カードがスタート (2009/03/19)
- 働かずにもうけたい ―― 毒されていく勤労観 (2009/02/27)
- 生体認証破り――国の安全に「穴」が開いた (2009/02/13)
- マナーの悪い不良外国人に「喝!」 (2009/01/23)

