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“危機管理時代”の知的護身術

第25回
海外での犯罪被害、男女別徹底分析

安全生活アドバイザー 佐伯 幸子氏
2006年8月9日

海外での窃盗・強盗・詐欺被害

 今年も夏の海外旅行シーズンが本格的にやってきた。成田国際空港会社が航空各社の予約状況などから推計した、今年の夏休み期間(7月14日~8月31日)に成田国際空港を利用する旅行客の推計値によると、出入国者合わせて約392万7900人で、昨年同期に比べて2.9%増加する見込みだという(成田国際空港会社が発表したプレスリリースはこちらを参照)。

 出国のピークは8月12日(土)の5万2400人、次いで8月14日(月)の5万1100人。8月11日から16日までの間は連日4万5000人以上が出国する。東京ドーム(収容人数5万5000人)ほどの人数が、毎日海外に飛び立つのだ。大変な数である。

 すべての人の無事帰国を願うばかりだが、海外旅行時に遭いやすい犯罪被害を事前に知っておき、自己防衛の意識を高めていただきたいと思う。

 外務省・海外安全ホームページの、2005年(平成17年)海外邦人援護統計における「事件・事故等総援護件数の特徴と推移」によると、過去10年間で毎年7000人以上が犯罪被害に遭っている。これは年間の数字だが、渡航者が多いこの時期に被害者も増えることは疑いようがない。

1996年~2005年における犯罪被害件数・人数の推移 (出典:外務省・海外安全ホームページの2005年(平成17年)海外邦人援護統計より)

 昨年(2005年)を見ると、出国者の数が増えてはいるが、犯罪件数、犯罪被害者数はわずかに減少している。これは、渡航先の危険状況にもよるだろうし、旅慣れた人が増えたということもいえるかもしれないが、せっかく減ってきた被害者数を再度、押し上げることがないように、各自、十分な注意を忘れないことが求められよう。

 「遺失」つまり「忘れ物」も旅行時には多い。これは本人の問題なので気をつけるようにするしかないが、“望まない被害”を受けるということについては、日本国内にいるときとは違うのだという意識を持つしかない。国内でも注意している人は海外に行ったらなおのこと気をつけるだろうが、国内でも注意していない人はいくら注意しているつもりでも、注意するレベルが違うかもしれない。

 これは、普段、都市部で生活している人と、地方で生活している人との違いということもあろうか。あるいは都市部から海外のペースのゆるやかな地域への旅行ということで、油断ということもあるかもしれない。

 いずれにしても気候、風土、言語、慣習などの違う場所での行動には緊張感を持っていただきたい。主なトラブルとして約8割が「窃盗被害」、次いで「強盗」、「詐欺被害」となっている。どういう場面でどういうことが起こりうるか知らなければ、危険な状況に陥ってもピンとこないだろう。行く手に落とし穴があると分かっていれば避けて通れる。知っていれば防げるものだが、知らなければ穴に落ちてしまうだろう。

 
 

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