第24回
外開き「玄関ドア」についての考察
安全生活アドバイザー 佐伯 幸子氏
2006年7月26日
外開きの玄関ドアの弱点
外国映画などで、チェーンをかけた玄関ドアを少し引いた隙間から、訪問者を確かめる住人の様子を見ることがあるだろう。疑わしげに、たいていは顔の片側だけ、一方の目だけが強調されるような場面だ。それに対して日本の場合は、腕を伸ばしてドアを外に開けている場面が多いはずだ。
日本では、玄関のたたき部分に降りず、上半身を思い切り伸ばしてドアを開けるという不自然な体勢もよく見かける。毎日何度も開け閉めしているドアの開き勝手が、防犯にも防災にも、実は大きな意味があるという点をあらためて考えたい。
もし、不審な訪問者だった場合、内側から体ごとドアを押して閉めるのと、ドアを引いて閉めようとするのとでは、腕の力だけでドアを閉めようとする方が弱いだろう。ドアの「内開き」「外開き」の違いなのだが、欧米の玄関ドアはほとんどが内開きで、日本の玄関ドアは圧倒的に外開きが多い。
第一の理由は「靴を脱ぐ」という点だ。玄関内に脱いだ靴があるため、内開きでは邪魔になる。内開きにするには、脱いだ靴が邪魔にならないだけのスペースが必要なのだ。
第二の理由がこのスペースの点で、内開きにすると玄関のスペースが余分に必要になるため、元々狭い日本の住宅では室内の居住スペースを少しでも広くするために玄関ドアは外開きにすることが当たり前なのである。
しかし、安全だった時代ならいざ知らず、強引な手口が増加している侵入犯罪に対しては、弱点だらけな「外開き」だといえる。
「外開き」ドアでは、建物にドアを取り付ける「蝶番(チョウツガイ・チョウバン)」が外側に付いている。当然、ドアとドア枠の間に隙間ができる。この隙間にバールなどを差し込んで、無理やりドアをこじ開けて侵入する窃盗犯罪が度々発生しているのだ。
「ピッキング犯罪」は、言葉が印象に残りやすいものだったため、侵入犯罪の中心手口のように思われがちだが、実は犯行の認知件数は激減している。平成13~14年当時の年間1万9000件台から、平成17年では年間2171件にまで減っている。
ピッキング用具を使用した認知・検挙件数の推移
ドリルを使用したサムターン回しによる認知・検挙件数の推移
鍵穴に特殊用具を使って開錠するテクニックが必要なピッキングやサムターン回しより、ドア自体をこじ開けてしまう方が単純で、技術も要しない。蝶番が表にあるのだから、ここから玄関ドアそのものをはずしてしまうこともできる。外開きのドアはこじ開けられやすく、ドア自体を外されやすいといえる。
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