バックナンバー一覧▼

“危機管理時代”の知的護身術

インターネットに裏情報はいらない

 インターネット・オークション詐欺は、「プリペイド式携帯電話」や「架空名義・他人名義の不正預金口座」があれば実行可能な犯行とされている。そして、これらの「詐欺道具」とも言うべき携帯電話や預金口座もまた、ネット上で購入可能なのである。プリペイド式携帯電話については、犯罪に利用されることを懸念して、購入の際、身分証明書の提示を求めるよう警察が指導している。

 また、銀行口座とカードや印鑑がセットで販売されたりもしている。こちらもまた、金と引換に不正預金口座を作って売りさばくという行為を規制するために、第161回国会で、「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、平成16年12月30日より施行されている。銀行口座などの不正利用防止が目的で、有償で預貯金通帳等を譲り受けたり、譲り渡したりするなどの行為は50万円以下の罰金となるなど処罰の対象になった。

 7月27日に発表された金融庁の資料によると、「振り込め詐欺」などにも使われる不正預金口座の数は、金融機関からの情報提供や法律の規制により一時期より減少している。しかしながら、プリペイド式携帯電話も架空名義・他人名義の不正預金口座も、完全になくなったわけではない。

詐欺被害防止のためにできる対策とは?

詐欺被害に遭わないために、取るべき手段をチェックしてみよう。

  • 画面、メール類は保存する。
  • 「評価」の信頼性を詳しくチェックする。→同一人物からの「良い評価」ばかりではないか、など評価内容をよく調べる。
  • 氏名や住所を確認する→地図情報で実在する住所かどうか。氏名がブラックリストに載っていないか、ネットで検索してみる。
  • 携帯電話の使用エリアをチェックする。→携帯電話の番号を入力すると使用されているエリアが分かるサイトがキャリア検索にある。これを使って、調べた結果の住所と使用エリアが違う場合は要注意。
  • 電話の会話は録音保存する。
  • エスクローサービス(※3)や代引きを利用する。
  • 返品・トラブル時の対応について質問する。→対応が悪ければ避ける。
  • 口座名義をチェックする。出品者の名前と振込口座の名義が違っている場合、トラブルに巻き込まれる可能性がある。したがって、必ず納得できるまで確認する。ポイントとしては「相手が名乗った名前と一致しているか」「相手が店舗の場合、振込先は個人名ではなく店舗の名前になっているか」など。
  • “トラブル口座”かどうかチェックする。→例えば、Yahoo!オークションには、「トラブル口座リスト」がある。

 事前の調査、取引の際に警戒すべきポイントをしっかり押さえて、不審な場合は取りやめた方が無難である。

※3 エスクローサービス:送金や商品の受け渡しの代行をするオークションサイト以外のサービス提供会社。「お金を振り込んだのに商品が届かない」「商品を送ったのに代金が支払われない」などのトラブルを避けられる。

 例えば、路上でメガネ、マスク、帽子を被って長袖コートにズボンで肌を露出せず、顔も見せない人物がいたとする。男女別も年齢も不明で、名乗る氏名も実名か偽名か不明。写真しかなく、手に取ることもできず、実在するかどうかも分からない品物を売っていたとしたら…? あなたは、そんな人物の売る品物にお金を出すだろうか? あり得ないだろう。だが、「ネットオークション」とは、そんなものなのだ。

 便利さに伴うリスクのチェックを怠ることは、きわめて危険である。うまい話に乗って、いい思いをすることは少ない。事前によく調べて、少しでも不審点や疑問点があれば手を出さないくらいの慎重さが必要だ。安全性を確認して、無事に取引ができれば何よりだが、詐欺被害に遭ってからでは遅い。

 被害に遭ってから「正規の店で、正規の価格で買った方がよかった」と気づくくらいなら、「インターネット・オークション」に初めから手を出さない方がいい。インターネットの画面上だけでの取引や買い物の便利さの陰には、いつでもリスクが付きまとうことを覚悟しておこう。

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。