第3回
小さな疑問が、オークション詐欺からあなたを守る
安全生活アドバイザー 佐伯 幸子氏
2005年8月2日
ネットオークション詐欺の実態
日本のインターネット人口は2005年2月の調査時点で約7007万2000人、2005年12月末には約7372万人となる見通しである。インターネット世帯普及率(※1)は55.4%(『インターネット白書』の調べ)、女性の利用者も着実に増加しており、インターネットは私たちの生活に欠かせないものになり始めている。
問題なのは、普及率に比例して様々なトラブルも増加していることである。インターネットを利用した「サイバー犯罪」に関する相談事例件数の中でも、「詐欺・悪質商法」が平成16年には、3万5329件(前年比70.4%)となっている。特に「インターネット・オークション」についての相談は、1万3535件(前年比125.6%)と激増している。平成12年からの過去5年間の「サイバー犯罪」にかかる相談件数の増加率が69.1%、という点からも、インターネット・オークションについての相談件数の増加率はいかに突出した数字であるかが分かるだろう。
※1インターネット世帯普及率:勤務先・学校のみ、携帯電話・PHSのみという場合を除く、自宅機器でのインターネット利用者がいる世帯が対象
「詐欺」は法律的な言い方をすると、「他人を欺いて、錯誤に陥れる行為」である。インターネット・オークションの事例で多いのは、品物を売ると言って偽りの情報を掲載して、落札者から代金を銀行口座に振り込ませて騙し取る手口だ。もちろんこれは明らかな詐欺行為、すなわち犯罪である。オークションを利用する大多数の人はこのような犯罪行為に手を染めることはないだろうが、被害者は後を絶たず、これまでに、さまざまなネットオークション詐欺事件は報告されている。
例えば2004年2月、31歳の男が他人のIDやパスワードをつかって、架空のオークション出品操作を行い、偽名で開設した口座等に現金を振り込ませる手口で76人から総額約900 万円をだまし取った。同年7月には、22歳の男がパソコンをオークションに出品したように見せかけて代金を騙し取っている。被害は全国で約200人、被害総額は約4000万円という。この男は落札者に「商品は入金確認後に手配します。オークション詐欺もあるので、ささいなことでもご連絡ください」との電子メールを送り、信用させていたというから、たいした念の入れようだ。
やはり同年10月には、15歳の女子中学生が、ブランド服の福袋を装ってオークションに出品。18歳から20歳の5人の女性から、総額約10万円を振り込ませていた。ネット上で知り合った18歳の少女から、銀行口座を6000円で購入してオークションを利用していた、というこの女子中学生は、「遊ぶ金が欲しかったので、インターネットで紹介されていたオークション詐欺の方法を見て実行した。簡単に金が稼げると思った」と供述しているという。つい数年前まで小学生だった女子が、このように犯行の方法を知り実行しているという現実は、インターネットの普及による情報の氾濫が持つリスクについても痛感せざるを得ない。
また、最近増加しているのが、「次点取引」と呼ばれるものだ。「最高額落札者が辞退したので、取引してもらいたい」と持ちかけて、詐欺を働く。オークションの落札者の権利について、よく注意書きを読んでおくことは大切だ。次点取引は個人間取引になるのでリスクが高い。オークションの補償制度(※2)が適用されないことを知っておこう。
※2 オークションの補償制度:正当な理由なく代金の支払いをしなかったり、品物の引き渡しがされなかったなどの詐欺被害に遭った場合、規定により一部補償されるシステム。Yahoo!オークションの補償制度についてはこちらからどうぞ。
インターネット・オークションの被害者の中には、被害に遭ったことを届け出ない人たちもいることを考えると、警察への相談件数や被害の認知件数よりも、実際の被害はもっと多いことに疑いの余地はない。「インターネット・オークションによる起業家が増加中」という米国の報告にもあるように、インターネット・オークションは、日本でも今後ますます発展するのはまず間違いないだけに、悪質行為への取り締まりやリスク管理のさらなる強化・向上を願うばかりである。
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