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“危機管理時代”の知的護身術

第1回
たとえゴミでも捨て方がある!!
身近なところから守れ流すな個人情報

安全生活アドバイザー 佐伯 幸子氏
2005年7月5日

「個人情報保護法」と情報漏えいによる被害

 この4月1日から全面施行された「個人情報保護法」は、個人情報を取り扱う事業者に対して個人情報の取り扱い方法を定めた法律である。一般の個人にとっては、自分の個人情報がどのように取り扱われるのか、これまではどうであったか、今後はどうなるのかという興味は尽きないだろう。情報は目に見えないものだけに実感が伴わない。そこで、何らかの具体的な被害を受けて初めて、その恐ろしさを知ることになる。

 例えば、病院の医師が持ち帰ったデータディスクが、ウイルスに感染していた自宅のパソコンから患者の診断名や治療計画が含まれた情報などが流出したり、学生の氏名・住所・成績データなどが含まれたハードディスクが盗難に遭い漏えいした。

 また「振り込め詐欺」は、氏名、電話番号、年齢、職業等が知られていることから被害者が信用してしまい、詐欺と気付きにくい仕組みになっているため、莫大な金額が詐欺グループの不正な銀行口座に振り込まれてきている。さらには、住民基本台帳を閲覧して情報を得た人物による連続強制わいせつ事件も発生した。これらの被害が個人情報の流出によることだと知ることで、一人ひとりが「個人情報の管理」に注目しなくてはならない。

「住民基本台帳」というもの

 個人情報といえば、「住民基本台帳」がまず挙げられる。住民基本台帳法第11条には、「何人でも住民基本台帳の閲覧を請求することができる」とある。自治体の役所に行って閲覧をした業者が、ダイレクトメール(DM)発送の名簿を作成するなどに利用されている。どこから送られるのか、どちらの家にもDMがやってくるのはこうした名簿が元になっていることが多い。その他、市場調査会社も住民基本台帳を利用することがある。また公的機関、報道機関、学術団体など、それらを除外した民間事業者の合計はDM業者の利用率をわずかに上回る。

 DM業者が全体の閲覧請求件数のうち30.7%で、公的機関は6.0%、報道機関が0.6%、学術団体が0.8%、市場調査会社が10.3%、その他の民間事業者の合計が31.5%だ。弁護士や司法書士などは0.1%、公務員による請求が11.5%で、本人または同一世帯の者による請求は0.6%という数字から、個人の情報は既にほとんどが本人以外の人物によって閲覧されているという事実を示している。

請求件数の請求者別内訳に関するデータ

 本人または同一世帯の者以外の個人による請求が1.1%と、本人と同一世帯の者の約2倍という点には、「ストーカー」事案も見え隠れする。このように住民基本台帳は、個人情報の宝庫、原点でありながら、その取り扱いは今の時代にそぐわないといえる。

 その上、この閲覧請求に対する審査等の取り扱いについて、条例を制定している自治体は2.3%、規則を制定しているのが1.7%、要項または要領を定めているのが31.6%だが、特に定めていないのが64.2%という点が空恐ろしい。ぜひ自分の居住する自治体の取り扱い状況を確認してみるべきだ。

閲覧請求に対する審査等の取扱いについて

 請求者に身分証明書の提示を求めているかどうかという点については、81.3%が「Yes」との回答だが、「No」および「検討中」という自治体、つまり請求者は身分証明書を提示する必要がないところが実に2割近いことは、個人情報取り扱いに対して、全く無防備な状態であることを示している。

請求者の身分証明書等の提示を求めているか

 いずれにしても、請求事由の69.9%、約7割がダイレクトメールの発送その他営業活動であること、昨年だけでも85万件以上の情報が営業目的で、しかも自治体の役所から引き出されていることを知ると、「住民基本台帳」とはあたかも営業のため、事業者のために閲覧を許しているようにすら思えてくる。

図1のd~jについて請求事由別の内訳

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