第46回 お父さんたちも写真に写ろう
親野 智可等氏
2009年3月27日
子どもや家族の写真を撮るのは多くの家庭ではお父さんの役割だろう。
「お父さんも一緒に入りなよ」
と、子どもに誘われても、「お父さんはいいから。はい、笑って笑って」などと断ってしまう人もいるのではないだろうか。
しかし、家族が写真に一緒に写ることは親子関係にとって大きな意味を持っている。
わたしの知り合いのAさんは公務員だが、中高時代に父親が大嫌いだった時期があったという。彼の父親は怒りっぽく、言葉遣いも乱暴で、押しつけがましかったからだ。
ところが、Aさんが大人になって、ある日のこと、家の中で探し物をしていたら、子ども時代の写真アルバムが出てきた。そこには、Aさんが生まれてから幼少のころまでの写真がたくさん張られており、父親の姿もあった。
1枚の写真がAさんの目に留まった。生まれたばかりの彼を抱いて、こぼれるような笑顔を見せる父親の姿。Aさんをあやすためにガラガラを手に、変な顔をしている父親や、遊園地の遊具の馬に一緒に乗る父親の姿もあった。
ページをめくるうちにAさんの目には涙があふれてきたという。すると、すっかり忘れていた父親との思い出が不思議なことに次々と思い出されてきた。一緒にキャッチボールをしたこと、相撲を取ったこと――などなど。
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