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父親のための親力養成塾

第45回 左利きを直す必要はない

親野 智可等氏
2009年3月6日

 講演の後の質問コーナーなどで、「左利きの子は矯正するべきかどうか」という質問をときどき受ける。

 教育関係の雑誌やネットの子育て相談では、回答者が「直さなくてもいいが、習字だけは右利きの方が有利」とか「両手利きがいいのでは」などと答えているケースも見受けられる。だが、わたしは左利きを右利きに直す必要も両手利きにする必要も一切ないし、そうしてはいけないと考えている。

 そもそも左利きを「直す」という言葉自体に、差別的発想がある。

 左利きの子は左利きのまま育てた方が、自分の能力を十分に発揮できる。無理に右手でやらされても、もともと右利きの子に機能上かなうはずがない。左手でやれば同じ能力が発揮できるのだ。

 習字も左手で上手に書く人はいくらでもいる。わたしの教え子でも左手で書いた書き初め大会で毎年、優勝していた。ほかにも上手な子は何人もいた。

 両手利きは、一見、もっともに聞こえる。だが、「なぜ左利きの子だけ両手利きにならなければならないのか?」と考える必要がある。それは、決して子どもためにならないし、差別構造の温存につながるものでもあるのだ。

 我が子が右利き中心の社会に対応できるように矯正した方がいいと思うのだろうが、実は右利きや両手利きに替えさせられる段階で、非常に大きな弊害があることが最近指摘されている。それについては、後述する。

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