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父親のための親力養成塾

無理に自立させないと自然に自立する

 幼稚園のとき、毎朝、送迎バスを待つ間、親と離れるのが嫌でずっと泣き続けていた子をわたしは知っている。

 3年間、ずっと泣いていたが、親はそれをしかりつけたりはしなかった。そして、小学校1年になった途端、全く泣かなくなった。それどころか、朝も自分で起きて、どんどん身支度して家を出るようになり、親も周りの人たちも驚いたという。

 また、ある子はとても面倒くさがり屋で、宿題もなかなかやらないし、やってもいい加減にやる。小中学校を通してずっとそうだった。ところが、高校2年になったころから、人が変わったように勉強を始めた。それは、将来やりたい仕事が見つかって、そのために行きたい大学が決まったからだった。

 学生時代は何事にもやる気がないと思われていたのに、社会人になったら急に生き生き輝き出す人もいる。こうした例はいくらでもあるのだ。

 だからこそ、自立を急がないことだ。「自立、自立」とせかすと、かえって真の自立が遅れる。一見、自立したように見えても、くすぶったものを残しているので、どこかで何かの形で出てくる。ここには一つのパラドックスがある。


   「無理に自立させると自立できなくなる」
   「無理に自立させないと自然に自立する」
   「自立させたかったら無理に自立させるな」

 子育てや自立の問題に限らず、このようなパラドックスは人生のいろいろなところに登場する。人生は不可解だが、だからこそ面白いともいえる。

 しかし、最後に付け加えたいのは「甘えさせることと甘やかすのは違う」ということだ。

 子どもはもう一人で寝たいのに、親の方が子離れできずに引きずることは「甘やかし」である。子どもを見ずに、親の都合で甘やかしすぎると、本当に子どもの自立を妨げることになる。その「区別」をしなければならない。

 甘やかしを避けるためには、親がよく子どもの様子を見て、いつもその心の状態に気を配り、自立の時期が来たと思ったら、うまく「手放す」ことだ。そうすれば、子どもは自分の“羽根”で空を飛び始めるだろう。

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