中学受験を正当化する一つの言い訳として、「不合格になっても、その間の努力は無にならない」という言葉がある。確かに、学力面からいえば、その間の努力は役に立つだろう。だが、代わりに何を犠牲にしているかも考えなければならない。
その間に親子関係をしっかりと固めることができたかもしれないし、子どもが何か熱中できることや、自発的に興味を感じる勉強に出合えたかもしれない。
ある、塾の先生がこんなことを言ったという。「6年生の夏休みは一生に1回のことなのだから、せみ取りなどをしていたら、負け組になるぞ」。
その通り。6年生の夏休みは一生に1回だ。だからこそ、せみ取りをしてほしいとわたしは思う。小学校時代に友だちと走り回って、せみ取りに興じた楽しい記憶は一生残るだろう。
お母さんたちが参加するインターネットの掲示板に、こんな書き込みがあった。「夏休み明けの9月に塾で知り合いのお母さんと話したら、1日も夏休みを取らずに勉強したと聞きました。我が家は3日ほど休んでしまって、とても焦りました」。
このお母さんは冗談ではなく、真剣な調子で後悔していた。夏休みに1日も休まないことの方がどれほど異常なことか分からなくなってしまうのだろう。
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