金銭教育とは欲望のコントロール
20世紀後半までは日本の国民の8割をサラリーマンが占めていたが、毎年、その割合は減りつつある。就職難で完全失業率が増え、いまや300万人が無職の状態だ。フリーターも増え続け、内閣府の「平成15年国民生活白書」(2003年5月末発表)では417万人という数字が発表された。
サラリーマンもうかうかしていられない。倒産やリストラ、給料のダウン、終身雇用や年功序列制度の見直しなど、安定した生活は夢のまた夢だ。会社の言うとおりに働き、給料をもらい、天引きで税金を支払っていればいい時代は過ぎた。これからは働き方や収入だけでなく社会保障も税金も自分で調べ、考え、自己責任で対応していかなければならない。
だからこそ、おカネに対する意識や能力が求められている。小さいころから金銭感覚を身につけていかないと、多重債務や自己破産など金銭トラブルに巻き込まれる危険性もある。
金銭教育というと、すぐに株式やファンド(投資信託)などへの投資術や金融の知識をを教えることだと思ってしまう人が多い。だが、その前にやるべきことがたくさんある。それは、基本的なおカネとのつき合い方、欲望のコントロールの仕方を教えることである。
金銭教育の基本中の基本は1円を大事にすること。いまや10円玉が落ちていても誰も拾わない時代だが、1円をおカネとして子どもにしっかりと意識させることから始めたい。
そのためには、1円玉が道に落ちていたら、ちゃんと拾う。それをいちいち交番に届けるのも手続きなどを考えると非現実的なので、学校やコンビニなどの募金箱に入れるといいだろう。もちろん、子どもといっしょに募金箱に入れる。決して自分のものにしてはいけない。おカネの扱い方の原則、あるべき姿を教えることが大事である。
人間にとっておカネは本能ではなく、生きていくための社会システムの一つだから、正しいシステムの使い方をちゃんと子ども時代から教えなければならない。一生付き合っていくおカネに対して最初からルーズに対応すると、大人になってもルーズになる。
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