第13回
二極化する子どもの運動
親野 智可等氏
2007年12月14日
小中学校では今、子どもの運動の二極化が進んでいる。
昔のように、野山を駆け巡ったり鬼ごっこをしたりといった身体を動かす機会がめっきりと減り、代わりに電子ゲームで遊び続ける時代になって、全体的には運動機能が低下している。学校の体育の時間といっても週に2、3時間程度。これではあまりに少なすぎて、多くの子どもが運動不足に陥っている。
その一方で、スポーツ少年団や民間スポーツクラブに入り、日常的にスポーツを行う、身体機能の高い子どもがいる。運動不足の子どもとこうした子どものギャップは大きい。
とはいえ、スポーツに熱心な子にも別の問題がある。サッカーや野球、水泳など同じスポーツばかりに偏っているのだ。
例えば、野球で右投げ、左打ちが有利だからといって、小さいころからずっと同じやり方ばかりを続けると、同じ筋肉や関節に負担がかかり、ひじを痛めたりする。サッカーでも足を痛める子は多い。そのために、体育の授業を休む子もいる。これは本末転倒だろう。
一部のスポーツ少年団などでは“勝利至上主義”にとらわれて、勝つために猛練習を行うケースもある。土曜日に練習を行い、日曜日に試合がある時など、月曜日の子どもたちはぐったりと疲れ切っている。これでは学習にも支障が出る。
勝つために、本来、投げさせてはいけないひじを痛めた子どもに、無理に投げさせて、悪化させる監督、コーチ、親もいる。これは子どものためのスポーツではなく、大人たちの自己実現のための“代理戦争”だ。
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