アウトドア派の父親に育てられた女の子
かつて、わたしの教え子で自然が大好きな女の子がいた。実はその子のお父さんがアウトドア派で、年中、家族でキャンプや海などに出かけていた。
あるとき、その子が腕に包帯を巻いてきたので理由を聞くと、「タコにかまれた」という。海でタコを捕っていたら吸盤に吸い付かれたのか、丸いアザが残ったというのだ。そんな経験はなかなかできるものではない。
彼女は山で竹の子取りをしたり、小動物を捕まえたり、いろいろな本物体験をしていた。そのためか、とても感性が豊かで、作文や1分間スピーチが抜群にうまかった。人が言わないようなことを言うのだ。
感想文を書かせても自分の体験に照らし合わせて書くので、オリジナリティがあった。絵も色彩豊かで生き生きとしている。本物に触れているので、触覚、嗅覚、色彩が記憶に刻まれているのだろう。
わたしはその子によって本物体験の重要性を教えられた。人の感性やオリジナリティを育てるには本物体験が重要だと。
また、ある6年生の女の子は歴史の勉強が嫌いだったが、夏休みに両親と一緒に郷土博物館や歴史博物館を見学に行ったら、二学期から逆に歴史好きになってしまった。本物体験は苦手科目を克服するきっかけにもなる。
最近では各地に公立の博物館・美術館、子どもの科学館、児童館などが出来、「本物体験」が手軽にできるようになっている。科学館などで楽しい実験ができたら理科好きになるかもしれない。
民間の施設でも役に立つところは多い。例えば、東京都江東区の「ららぽーと豊洲」にできた「キッザニア」では消防士、医者など約70種類もの職業体験ができる。
京都嵐山の小倉百人一首発祥の地に出来た「時雨殿(しぐれでん)」は奈良、平安、鎌倉時代の歌人やその短歌を楽しみながら学べるユニークな施設だ。
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