「一人でいる力」を育てる
一人でいる力を身につけるには何かに熱中する体験が必要だ。絵でもスポーツでも、音楽でも読書でもマンガでも何でもいいから、子どもが好きなことに熱中できるように親が支援する必要がある。
例えば、歴史が好きな子だったら遺跡や博物館に連れて行き、歴史マンガや歴史かるたを買ってあげる。
子どもは何かが好きでも、自分の力だけではそれを広げたり、深めることはできない。ところが親の手助けがあると、グンと伸びる。
かつての教え子で、釣りの大好きな子どもがいた。小学3年と4年生の時に受け持ったが、家では釣り道具を驚くほどきれいにそろえていた。彼は3年からサッカーを始めたが、釣りという熱中体験を持っていたせいか、たちまちサッカーにも熱中し、そのうちキャプテンになり、とうとうサッカー名門高校に進学し、そこでもキャプテンになった。
自分の世界を持っている人は強い。一人になっても困らないし、嫌なものは嫌と言えるようになる。仮に一時的な仲間はずれになっても、熱中することがあると自分を支えてくれるし、いつかはジコチュー人間から友達が離れ、自分の元に戻ってくる。
そのためにも「みんなと違っているからいい」と子どもをどんどん褒めてあげることが必要だ。親や教師はとかく、みんなよりうまいとか、早いとか、点数が高いことを評価しがちだが、そうではなくて、独創性や個性を褒めることも大切である。
「人と違うことを考えて、すばらしいね」「独創的でいいね」「誰も思いつかないアイデアだね」「個性的でいいね」など、異質なものを生み出す大切さを評価してあげることだ。
そして、一人でいる力を身につける上で、一番大事なことがある。それは「自分が親に受け入れられている、愛されている」ことを子どもに実感させることだ。理解と受容と共感によって親の愛を実感している子は人間としての根源的な自信を育み、人への思いやりも持てるようになる。
重要なことは親が愛情を持っているだけでなく、子どもに「実感させる」ことである。愛のムチは親の言い分であって、子どもから見れば単なるひどい仕打ちに過ぎない場合が多い。
特に父親は一般的に「実感させること」がヘタで、愛のムチを誤用しているケースが多いが、それは次回、お話ししよう。
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