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納豆糸からバイオプラスチック!

 そのうち、ふと気づく。「結局、納豆を作ったのは俺じゃない」。なんだかアホらしくなってきた。「よし!納豆のさらに先、新しい発見で世の中の役に立とう!」。思いは次のステップに向わせた。

 着目したのがネバネバ糸。これから何か出来ないか? PGAは多数のグルタミン酸が鎖状につながっている。この糸を水に溶かすと無色透明の水溶液になる。これに放射線を当てるとPGAの鎖の間に新しい結合ができる。こうして分子同士が網の目のように絡み合い樹脂状の物質となる。感触は普通のプラスチックそっくり。そして、手で割れないほどの強度がある。みごと納豆樹脂の完成である。

 原助教授の納豆への偏愛が納豆を“プラスチック”に変身させたのだ。ネバネバが新素材バイオプラスチック(BP)に変貌を遂げた。さらに空気中の菌がゆっくり樹脂を分解することも解明。これは生分解性プラスチックだった。

博多発、辛子めんたいこ容器に採用

 「納豆樹脂」には新エネルギー・産業開発機構(NEDO)も着目。その支援事業にも認定された。

 では、この納豆樹脂をどんな商品に応用するか? キーワードは (1) 吸水生、(2) 生分解性、(3) 可塑性、さらに (4) 地域性。なんとか博多発の新素材としてデビューさせたい。

 「そこでひらめいたのが博多めんたいこか豚骨ラーメン…」と原助教授は苦笑。手頃サイズ容器としてまず、めんたいこに注目。食品容器は使い終わったあと、やっかいものになる。「なら使い終わったら食べられればいいや…。食べられる容器にすればゴミにはならない」。東京にはない博多人らしいおおらかな着眼の妙。地元の辛子めんたいこメーカー「ふくや」と共同でパッケージ開発に取り組んでいる。

 原料は、大量に市販納豆を買ってくるわけにはいかない。培養液で納豆菌を増殖させ、PGAを作らせて樹脂を大量生産するシステムも開発。実際に使用する場合は他の生分解性プラスチックと混ぜて生成する。

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