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第4回
屋上緑化で大都市のヒート・アイランド化を制止せよ!

地球環境問題評論家 船瀬 俊介氏
2005年8月22日

緑の減少が生み出したヒート・アイランド

 この100年間で日本の平均気温は1.0度上昇した。ところが、大都市の気温上昇は2.4度と平均値を大きく上回り、東京に至っては2.9度にも達する。

 東京の下町、千駄木のマンションに住む友人の映画評論家Nなどは「朝6時の気温が37度だぞ!!」と悲鳴を上げていた。いまや都心で熱帯夜が年間30日を越えるのはざらだ。まさにヒート・アイランドである。

 なぜ、これほど大都市が暑くなったのか。その大きな理由の一つが緑の減少である。1932年には東京の約5分の4は緑に覆われていたが、64年にはそれが16%も減り、69年には26%も激減している。60年間で東京都の緑被地面積は半減したのだ。

 緑地減少の他、ヒート・アイランドを起こす要因は以下のように4つほど指摘できる。

 1.クーラーの排熱:エアコンは室内の気温が下がった分を熱として室外機で放出している。空から都心を熱画像グラフで観察すると、高層ビルの屋上部分は燃えるように真っ赤に写る。これは室外機が屋上にずらりと設置されているからである。実はクーラー排熱を回収して、給湯などの熱源に利用する装置がすでに開発されているのに、なぜ採用しないのか理解に苦しむ。

 2.自動車排熱:乗用車、バス、トラック――いずれも内部で燃料を燃やす内燃機関、エンジンを搭載している。早くいえば、自動車1台ずつがかまどを乗せて走っているようなものだ。内燃機関ほど熱効率の悪いエネルギー装置はない。なにしろ、ガソリンの1割しか走行エネルギーに変換できない。残りの9割は排熱として大気中に放出してしまうのだ。おまけに有害汚染ガスの出すのだから始末に負えない。

 3.コンクリート蓄熱:大都市の表面は建物のコンクリートと、道路のアスファルトで覆われている。これらが真夏の太陽で“石焼き”状態となり、炎天でコンクリートなどは表面温度が80度にも達する。昼間たっぷりとため込んだ熱が夜になると放出され、熱帯夜の責め苦が続くのだ。

 4.水分蒸発量の減少:緑地や池、湖、川の減少によって水分蒸発量が激減した。水は蒸発するときに気化熱を奪うため、クールダウン効果は絶大だ。その貴重な水が失われている。

「年々悪化する首都圏のヒートアイランド現象~年間30度を超える延べ時間が20年弱で2倍に激増」
出典:『平成12年度 ヒートアイランド現象の実態解析と対策のあり方についての報告 書<増補版>』(平成13年10月 環境省)

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